最新麻酔科学(上・下) 改訂第2版

最新麻酔科学(上・下) 改訂第2版

編集 東京大学 名誉教授 稲田 豊 ほか
ISBN 4-7719-0157-0
発行年 1995年
判型 B5
ページ数 2012ページ
本体価格 77,000円(税抜き)
電子版 なし


*上下巻の別売りはございません

麻酔の歴史,理論,基礎,臨床から回復室,ICU,疼痛管理,呼吸管理,救急蘇生法まで,麻酔科医に必要なすべてを含む最新の麻酔科学書の決定版!!

麻酔指導医あるいはそれを目指す方に,ぜひ知っておいていただきたいというガイドラインに基づき執筆されたものである.理論的事項と臨床的事項の比は 2:8とし,より臨床内容に重点をおいた.執筆者は現在全国の主要施設で,教育・診療・研究に日夜励む第一人者が執筆している.麻酔科医の座右の書として おすすめする,必携の書.

I. 麻酔の歴史…谷津三雄…1
A.笑気麻酔 2
B.エーテル麻酔 7
C.クロロホルム麻酔 11
D.その他の麻酔 13
E.華岡清洲(1760~1835年)の麻酔 16
F.局部麻酔(痺) 18
G.静脈麻酔 23
H.明治から大正にかけての日本における麻酔学書 24 I.わが国における救急蘇生法の歩み 25

II. 麻酔の理論…小栗顕二…31
A.研究の二つの方向性 32
―麻酔薬と生体膜との関わりの理論― 40
B.薬理学的アプローチ 33
C.物理化学的・分子論的アプローチ

III. 麻酔の基礎…59
1. 麻酔に必要な物理…宗行万之助…60
A.単位系 60
B.麻酔と関係の深い力学 62
C.液体,気体の性質 65
D.ガスと蒸気 72
E.光,電磁波 78

2. 生  理…82
A. 呼吸生理…82
§1.肺機能…吉矢生人…82
A.呼吸運動 82
B.呼吸の神経性調節 89
C.肺胞換気 92
D.肺におけるガス交換 94
E.血液ガス 98

§2.肺循環印南比呂志・岡田和夫…104
A.肺循環系の解剖 105
B.肺循環での血圧と血管抵抗 106
C.低酸素性肺血管収縮(hypoxic pulmonary vasoconstriction;HPV) 109
D.全身麻酔とHPV 110
E.肺内局所血流量と重力 114
F.肺内局所血流量と肺気量 117
G.肺内局所血流量と同心性匂配(concentric gradient) 120
H.肺内での水の移動 122
I.血管作用性物質の代謝と産生 123
J.肺循環のその他の働き 123

B. 循環生理…125 §1.心臓・血管…斎藤隆雄・加藤道久…125
A.血  圧 125
B.血管(血流)抵抗 127
C.心拍出量(または分時心拍出量) 128
D.静脈還流 129 I.循環の生理的調節 142
E.循環血液量 130 F.心筋の収縮と弛緩 130
G.心臓周期 134
H.冠循環と心筋代謝 135
J.全身への酸素運搬と二酸化炭素洗い出し 146

§2.不整脈…真鍋雅信・橋本敬太郎…147
A.心臓の正常調律と活動電位 147
B.不整脈の発生機序 149
C.抗不整脈薬の作用点 153
D.Vaughan Williams 分類 155
E.臨床不整脈に対する有効性による分類 157
F.麻酔と不整脈 158

C. 神経生理…162 §1.脳,脊髄,自律神経…新宮 興・森健次郎…162
A.麻酔薬の中枢作用 162
B.自律神経系 182
C.イオンチャネル 189

§2.疼痛:I.生理…檀健二郎…202
A.痛みの定義 202
B.痛みと防御機構 202
C.急性痛(acute pain)と慢性痛(chronic pain) 203
D.侵害受容性疼痛(nociceptive pain) 203
E.侵害受容器(nociceptors) 204
F.侵害受容器に働く化学物質 204
G.皮膚損傷で起こるLewisの三重反応 205
H.脊髄における痛みの伝達 207
I.侵害受容性疼痛の上行路 208
J.下行性痛覚抑制機構 209

§2.疼痛:II.薬理…安里文雄…210
A.組織障害は発痛物質と感作物質を放出する 210
B.発痛物質と感作物質は侵害受容器を感作する 211
C.皮膚損傷は一次,二次痛覚過敏を起こす 212
D.関節の炎症と痛覚過敏 214
E.一次求心性線維の神経伝達物質 215
F.脊髄における侵害受容伝達の調節機序 217
G.組織障害や炎症の後では神経可塑性が起こる 219

§2.疼痛:III.生体反応…浅利 遥…220
A.侵害刺激の到達レベルにおける反応 220
B.心理学的因子と急性疼痛 224

§3.脳循環・代謝と脊髄循環…土肥修司…227
A.脳・脊髄循環の解剖上の特徴 227
B.脳・脊髄血流の測定 228
C.正常脳・脊髄血流量と脳・脊髄機能 230
D.脳・脊髄血流量の調節 231
E.脳・脊髄の代謝 235
F.低体温,低血圧での脳・脊髄循環と代謝 235
G.麻酔中の脳循環・代謝 236

D. 腎  臓…小川秀道…241
A.腎の解剖・生理 241
B.腎の血行動態とホルモン調節 246
C.腎機能検査と評価 248
D.麻酔の腎機能に及ぼす影響 253
E.術後腎不全 258

E. 肝  臓…石井脩夫…260
A.肝臓の解剖学的構造 260
B.肝臓の血管機能 261
C.類洞細胞機能 262
D.代謝機能 262
E.胆汁の生成と排泄 266
F.脂肪の吸収 266
G.ビリルビンの排泄 266
H.肝機能検査 267
I.麻酔と肝血流 270
J.麻酔と肝障害 273

F. 代  謝…吉村 望…276
A.正常時の代謝調節 276
B.ストレスに対する代謝調節 278
C.麻酔時の代謝 285

G. 水分,電解質,酸塩基平衡…奥田孝雄…293
A.水,電解質 293
B.酸塩基平衡調節 297

H. 止血と血液凝固(線溶,DIC を含む)…小川 龍…313
A.止血の生理学 313
B.診  断 317
C.止血機能の障害を示す疾患 319
D.止血機能の異常状態と麻酔 322

3. 酵  素…重松昭生… 327
A.薬物代謝酵素系 327
B.コリンエステラーゼ(Cholinesterase) 334

4. 麻酔と免疫…藤田達士…337
A.免疫とは 337
B.術後管理と免疫 341
C.麻酔薬と免疫 347

5. 薬  理…355
A. 臨床薬理学…浅田 章…355
A.薬物動態学(pharmacokinetics) 356
B.薬 力 学(pharmacodynamics) 370

B. 吸入麻酔薬…加藤孝澄・池田和之…377
A.中枢神経系 377
B.循環器系 380
C.呼吸器系 385
D.肝  臓 389
E.腎  臓 390
F.骨 格 筋 391
G.子 宮 筋 392
H.内 分 泌 392

C. 静脈麻酔薬…並木昭義・岩崎 寛…396
A.静脈麻酔薬の歴史的経緯と臨床応用 396
B.各種静脈麻酔薬の特徴 398
C.麻薬性鎮痛薬,麻薬拮抗性鎮痛薬 411

D. 向精神薬…森 秀麿…419
A.神経遮断薬 419
B.抗うつ薬 429

E. 局所麻酔薬…兵頭正義・芥川知明・斎藤八郎…437
A.局所麻酔薬および局所麻酔法の開発 437
B.総  論 438
C.各  論 451

F. 筋弛緩薬…橋本保彦…462
A.神経筋接合部の構造 462
B.アセチルコリンの動態 463
C.アセチルコリン受容体 466
D.神経筋遮断 468
E.筋弛緩薬の化学 472
F.筋弛緩薬の遮断作用発現と回復 475
G.非脱分極性筋弛緩薬の薬理 477
H.脱分極性筋弛緩薬の薬理 486
I.筋弛緩薬と他の薬物の相互作用 490
J.ダントロレン 493

G. 循環系作動薬…田中義文…496
A.自律神経系 496
B.血管作用薬の発達 498
C.受容体 500
D.受容体から生理活性まで 504
E.血管作用薬の分類 508
F.昇圧薬 509
G.末梢血管拡張降圧薬 511
H.刺激伝導系 514
I.抗不整脈薬の分類と薬理 517
J.強心薬 523

H. 抗コリンエステラーゼ…田上 惠…526
A.抗コリンエステラーゼ(anticholinesterase;抗ChE) 526
B.アセチルコリンエステラーゼ(AChE) 526
C.抗コリンエステラーゼの作用 526
D.抗コリンエステラーゼ薬の直接作用 527
E.抗コリンエステラーゼ薬 527
F.抗コリンエステラーゼ薬の投与時期 529
G.抗コリンエステラーゼ薬に影響を与える因子 530

I. オピオイドペプチド…丸山洋一・下地恒毅…533
A.歴  史 534
B.オピオイドペプチドの生成と構造 535
C.オピオイドペプチドの分布 536
D.オピオイド受容体 538
E.受容体での細胞膜情報伝達 541
F.オピオイドペプチドの遊離と代謝 542
G.オピオイドペプチドの作用 543
H.鎮痛機序 544

6. 技術…547
A. 滅菌・消毒…本多夏生…547
A.定義 547
B.方法 547
C.手指・術野・手術室 551
D.感染症とその対策 553

B. 手術室内安全対策…新井豊久…557
A.ガスによる汚染 557
B.引火・爆発 563
C.電  気 566
D.感染対策 569

C. モニタリング…大竹一栄・布宮 伸・村田克介・和田政彦・窪田達也…574
A.循環のモニタリング 574
B.心電図(ECG)モニター 584
C.呼吸のモニター 588
D.中枢神経モニター 594
E.神経筋接合部のモニタリング 597
F.体  温 601

D. 麻酔前,麻酔中および麻酔後データの記録…釘宮豊城…605
A.記録の目的 605
B.記録の内容と意義(麻酔前,麻酔中,麻酔後の記録について) 605
C.記録の保存と利用法 611
D.法律的な問題 611

IV. 麻酔の臨床―総論― 615
1. 術前管理…616
A. 術前患者の評価と準備…大江容子…616
A.手術のリスク 616
B.術前訪問 617
C.呼吸系 629
D.循環系 634
E.術前使用薬剤の問題 640
F.インフォームドコンセント 646

B. 麻酔前投薬…水口公信…648
A.前投薬とは 648
B.手術前の不安 648
C.前投薬 652

2. 麻酔の深度と徴候…佐藤哲雄…656
A.臨床徴候(clinical sign) 657
B.脳波による麻酔深度の判定 661
C.誘発電位測定による麻酔深度の判定 663
D.筋の緊張や呼吸による麻酔深度の判定 663
E.循環状態による麻酔の深度判定 663
F.呼気中の麻酔ガス濃度による麻酔深度の判定 663
G.血中麻酔薬濃度による麻酔深度の判定 664

3. 全身麻酔に使う装置と器具…佐藤 暢…666
A.ガス供給装置 666
B.吸入麻酔器(恒常流式ガス麻酔器) 672
C.呼吸回路(breathing circuits, breathing system) 682
D.CO2吸収剤と吸収鑵(カニスタ) 687
E.その他の器具 689

4. 吸入麻酔(吸収・排泄,MAC,代謝と毒性)…奥田佳朗…692
A.化学構造から見た歴史的ながれ 692
B.吸入麻酔薬の薬動力学 695
C.MAC 最小肺胞内濃度(minimum alveolar concentration;MAC) 698
D.吸入麻酔薬の代謝 699
E.吸入麻酔薬の毒性 706 F.吸入麻酔薬の薬物相互作用 709

5. 静脈麻酔…高崎眞弓…713
A.利点と欠点 713
B.種類と臨床応用 713
C.準  備 714
D.チアミラール麻酔 716
E.プロポフォール麻酔 719
F.ケタミン麻酔 721
G.フェンタニール麻酔 723
H.完全静脈麻酔 726

6. ニューロレプト無痛法(Neuroleptanalgesia)
ニューロレプト麻酔(Neuroleptanesthesia;NLA)…花岡一雄…729
A.ニューロレプト無痛法およびニューロレプト麻酔の意義 729
B.ニューロレプト無痛法,ニューロレプト麻酔の歴史 729
C.NLAに使われる薬物 731
D.ニューロレプト麻酔本法の実際 733
E.ニューロレプト麻酔変法の実際 734
F.バランス麻酔 739
G.ニューロレプト麻酔の合併症 739
H.呼吸抑制や覚醒遅延の拮抗薬 740
I.適応と禁忌 741

7. 気管内挿管(Endotoracheal Intubation)…奥秋 晟…743
A.気管内挿管の歴史 743
B.気管内挿管の適応 744
C.気道の機能解剖 744
D.気管内挿管のルート 750
E.気管内挿管に用いられる器具 752
F.挿管方法 756
G.挿管困難 765
H.気管内挿管に伴う問題点 774
I.気管内挿管の合併症 779
J.気管支内挿管(endotracheal intubation) 780
K.気管切開による挿管 783

8. 麻酔中の呼吸系の変化…侘美好昭…786
A.麻酔薬の呼吸への影響 786
B.麻酔による肺換気の変化 794
C.麻酔中の肺水腫 806

9. 麻酔中の循環系の変化…熊澤光生…812
A.吸入麻酔薬の心臓への直接作用 812
B.吸入麻酔薬の血管への影響 816
C.笑気の循環系への影響 817
D.吸入麻酔薬の自律神経,圧受容器反射への影響 818
E.麻酔中の循環系の変化 819

10. 麻酔中の神経内分泌系の変化…坂井哲博・松木明知…826
A.麻酔と視床下部・下垂体ホルモン 826
B.麻酔と神経伝達物質 832
C.麻酔とサイトカイン 835
D.麻酔とエンドセリン 836

11. 低体温麻酔 涌澤玲児 839
A.低体温麻酔の分類 840
B.低体温麻酔の生理 841
C.麻酔方法の実際 858
D.低体温麻酔の適応 865

12. 低血圧麻酔…細山田明義…868
A.低血圧麻酔の理論 868
B.低血圧麻酔の生体に及ぼす影響 869
C.低血圧麻酔の臨床 875
D.低血圧薬について 879

13. 局所麻酔…886
A. 分類,表面麻酔,浸潤麻酔…茅 稽二…886
A.局所麻酔法の分類 886
B.局所麻酔(表面・浸潤麻酔)の前投薬 887
C.モニター 887
D.表面麻酔 887
E.浸潤麻酔 888
F.合併症 890

B. 神経ブロック…十時忠秀・原野 清…891
A.神経ブロックとは 891
B.主な神経ブロック 892

C. 硬膜外麻酔法…小坂義弘…921
A.硬膜外麻酔に関連した解剖 921
B.硬膜外麻酔に関連した生理 924
C.硬膜外麻酔の実際 926
D.適応と禁忌 930
E.利点と欠点 931
F.硬膜外麻酔の合併症とその対処法 931

D. 脊椎麻酔…横山和子…935
A.脊椎麻酔に関する解剖とその特徴 935
B.脊椎麻酔に伴う生理的変化 938
C.脊椎麻酔に使用する局所麻酔薬 939
D.脊椎麻酔の適応と禁忌 941
E.脊椎麻酔用器具とモニター 941
F.手  技 943
G.合併症 947

E. 経静脈局所麻酔法…天木嘉清…950
A.作用機序 950
B.適  応 950
C.禁  忌 950
D.準備器具 950
E.局所麻酔薬の選択 951
F.局所麻酔薬使用量 951
G.投与静脈ルート 951
H.実施方法 951
I.局所麻酔薬の血中濃度の問題点 953
J.合併症 954

F. 局所麻酔薬の合併症…鈴木 太…956
A.局所麻酔薬による全身反応 956
B.局所麻酔薬による注射局所の反応 962

下巻目次
14. その他の麻酔法…964
A. はり麻酔…松本 勲…964
A.はり麻酔と薬物麻酔の差異 964
B.はり麻酔方法 965
C.はり鎮痛(はり麻酔)のメカニズム 966
D.はり鎮痛効果の高め方 967
E.笑気伴用はり麻酔 969

B. 冷凍無痛法(cryoanalgesia)…宮崎東洋…973
A.低温と痛み 973
B.冷凍無痛法の原理および器具 973
C.冷凍無痛法の実際 975
D.冷凍無痛法の特徴と効果 976
E.低温療法 977

15. 輸  液…高折益彦…979
A.麻酔・手術時の輸液 979
B.麻酔・手術後の輸液 990
C.脱水症に対する輸液 992
D.出血時の輸液 995
E.ショック時の輸液 997
F.新生児,乳児に対する輸液 1001
G.老人への輸液 1002
H.栄養輸液 1003
I.輸液の合併症 1011

16. 輸  血…1016
A. 全血および成分輸血…二之宮景光…1016
A.輸血の現況 1017
B.輸血の適応と製剤 1019

B. 輸血副作用および合併症(大量輸血を含む)…高橋孝喜・十字猛夫…1027
A.即時型溶血反応 1027
B.非特異的溶血反応その他の即時型溶血反応 1028
C.アナフィラキシー反応 1029
D.非溶血発熱反応 1029
E.循環不全 1029
F.呼吸不全 1029
G.鉄過量投与 1029
H.輸血による感染症の伝播 1030
I.同種免疫 1031
J.輸血後GVHD(graft-versus-host disese) 1031
K.輸血副作用に対する対策 1037

C. 自己血輸血…大江与喜子・原  宏…1040
A.貯血式自己血輸血 1040
B.希釈式自己血輸血 1046
C.回収式自己血輸血 1048

D. 血液希釈(hemodilution)…津田英照…1051
A.急性血液希釈時の生理学的変化 1051
B.limited hemodilution の臨床応用 1055
C.limited hemodilution による希釈式自己血輸血の方法と適応 1056

E. 人工血液…関口定美・仲井邦彦…1060
A.人工血液の定義 1060
B.人工血液研究の現状 1061
C.臨床応用の可能性 1064

17. 麻酔と体位…堀 孝郎…1067
A.基本的体位 1067
B.体位の呼吸・循環系に及ぼす変化 1068
C.皮膚・末梢神経障害 1070
D.麻酔下での正しい体位のとり方 1072

V. 麻酔の臨床
―各論―…1075
1. 脳神経外科手術の麻酔…坂部武史・松本美志也…1076
A.術前評価 1076
B.前投薬 1078
C.モニター 1079
D.麻酔法 1081
E.部位,疾患別麻酔法 1085
F.低血圧法 1094

2. 歯科麻酔…金子 譲…1096
A.局所麻酔 1096
B.精神鎮静法(conscious sedation) 1098
C.全身麻酔 1101

3. 胸部外科手術の麻酔…1106
A. 心・大血管手術の麻酔…奥村福一郎…1106
A.心臓外科手術の麻酔 1106
B.大血管手術の麻酔 1120

B. その他の胸部外科手術の麻酔…石田博厚・丸川征四郎・山内順子…1128
A.術前評価と術前準備 1128
B.麻酔薬の選択 1132
C.胸部外科手術の呼吸生理 1134
D.縦隔手術の麻酔 1139
E.肺気道手術の麻酔 1144
F.胸部外科手術の合併症 1156

4. 腹部外科手術の麻酔…加藤清司・渡辺 敏…1164
A.腹部外科手術の麻酔の特殊性 1164
B.麻酔法の実際 1164
C.術後呼吸機能障害 1170
D.特殊状態への対応 1172

5. 整形外科および形成外科手術の麻酔…劔物 修・今井 真…1187
A.整形外科手術の麻酔 1187
B.形成外科の麻酔 1195

6. 産科麻酔…小田 裕・藤森 貢…1202
A.妊娠の生理学 1202
B.胎盤,胎児,新生児 1205
C.麻酔薬の母体,胎児,および新生児に及ぼす影響 1209
D.ハイリスク妊婦の麻酔 1214
E.経腟分娩に対する麻酔 1215
F.帝王切開術に対する麻酔 1218

7. 泌尿器科手術の麻酔…播岡徳也・畑埜義雄…1221
A.泌尿器科手術に特有の問題 1221
B.泌尿器科手術における麻酔管理 1222

8. 耳鼻咽喉科手術の麻酔…阿部京子…1235
A.当領域全身麻酔の基本的問題点 1235
B.耳鼻咽喉科領域の麻酔 1240

9. 眼科手術の麻酔…伊藤祐輔・増田 明…1254
A.眼(内)圧 1255
B.眼球心臓反射 1260
C.未熟児網膜症 1261
D.点眼薬の全身への影響 1262

10. 老人の麻酔…目黒和子…1264
A.加齢に伴う生理的変化と疾患 1264
B.術前患者状態のチェック 1269
C.麻酔管理 1274

11. 小児麻酔…尾原秀史・前川信博…1284
A.小児麻酔とその分類 1284
B.小児麻酔に必要な基礎知識 1286
C.術前管理 1293
D.麻酔薬と筋弛緩薬 1297
E.小児麻酔の方法 1301
F.麻酔中の輸液,輸血管理 1304
G.局所麻酔 1309
H.術後管理 1312

12. 神経・筋疾患と麻酔…高橋敬蔵…1316
A.概論 1316
B.重症筋無力症(myasthenia gravis) 1317
C.筋無力症候群(myasthenic syndrome, Eaton-Lambert syndrome, cartinomatous syndrome) 1321 D.周期性四肢麻痺(periodic paralysis) 1321
E.筋緊張性症候群 1322
F.進行性筋ジストロフィー(progressive muscular dystrophy) 1324
G.運動ニューロン疾患(mortor neuron disease) 1325
H.神経損傷 1327

13. 代謝性疾患患者の麻酔…佐藤重仁…1330
A.ポルフィリン症 1330
B.痛風 1334
C.高脂血症 1337
D.炭水化物代謝の異常 1338
E.アミノ酸代謝の異常 1342
F.ムコ多糖症(mucopolysaccharidosis) 1344
G.ガングリオシドーシス(gangliosidosis) 1345

14. 内分泌疾患患者の麻酔…石原弘規…1347
A.副腎皮質機能不全 1347
B.下垂体摘除術 1349
C.クッシング症候群 1350
D.褐色細胞腫 1350
E.原発性アルドステロン症 1354
F.インスリノーマ 1355
G.カルチノイド症候群 1356
H.甲状腺機能亢進症 1357
I.甲状腺機能低下症 1360
J.上皮小体機能亢進症 1361

15. 特殊疾患を合併している患者の麻酔…1364
A. 心疾患患者の麻酔…森田茂穂…1364
A.虚血性心疾患 1364
B.弁膜疾患 1369
C.心筋症 1371
D.心タンポナーデ 1371
E.高血圧症 1372
F.大動脈瘤 1372
G.先天性心疾患 1372

B. 腎疾患患者の麻酔…平川方久…1376
A.腎機能障害の病態 1376
B.腎機能検査とその評価 1378
C.腎機能に及ぼす麻酔の影響 1380
D.麻酔薬の腎毒性 1382
E.腎機能障害患者の麻酔管理 1382
F.術後管理 1385

C. 肝疾患患者の麻酔…野坂修一・藤野能久・天方義邦…1387
A.術前評価と術前管理 1387
B.麻酔法 1392
C.術中管理 1394
D.筋弛緩薬 1395
E.術後管理と術後鎮痛 1396

D. 肺疾患患者の麻酔…美馬正彦・田口仁士…1399
A.術前のリスク評価 1399
B.前投薬 1401
C.主要麻酔薬 1402
D.麻酔法・呼吸管理 1403
E.離  脱 1408

E. 糖尿病患者の麻酔…岡田和夫・印南比呂志…1410
A.糖尿病の分類 1410
B.糖尿病治療 1411
C.糖尿病における合併症 1414
D.インスリンの分泌の病態生理 1419
E.外科,麻酔侵襲の代謝への影響 1419
F.糖尿病合併症の治療薬 1422
G.麻酔管理 1423
H.特殊状態の管理 1426

F. 肥満の麻酔…内山正教…1434
A.肥満の判定 1434
B.肥満の原因 1434
C.肥満の病態生理 1435
D.術前管理 1437
E.術中管理 1439
F.局所麻酔法 1441
G.術後管理 1442

G. 血液凝固障害患者の麻酔 …川島康男…1445
A.止血,凝固障害の種類 1445
B.止血障害の評価 1448
C.術前準備 1449
D.麻酔管理 1451

H. 自己免疫疾患患者の麻酔 …鈴樹正大…1455
A.自己免疫疾患について 1455
B.自己免疫疾患と麻酔 1456
C.自己免疫疾患患者の麻酔 1457

16. 臓器移植の麻酔…1462
A. 脳  死…鈴木英弘・池田みさ子…1462
A.脳死の定義と概念 1462
B.脳死判定規準 1463

B. 腎移植の麻酔…川真田美和子…1472
A.術前の問題点 1472
B.麻酔法の選択 1473
C.モニタリング 1473
D.全身麻酔管理 1474
E.特殊な腎移植症例 1477

C. 肝臓移植(Liver Transplantation)…本山悦朗・落合亮一…1479
A.統計学的考察 1479
B.適応と禁忌 1480
C.術前問題点 1480
D.手術手技の問題点 1482
E.移植肝の保存 1482
F.手術術式 1482
G.その他の肝移植術 1484
H.日本での生体肝移植の現況 1485
I.麻酔管理 1485
J.術後管理 1488

D. 心,肺移植の麻酔…釜谷比羅志…1491
17. 治療および検査の麻酔…外丸輝明…1499
A.MRIの麻酔 1499
B.CTの麻酔 1507
C.術中照射の麻酔 1508
D.電気痙攣療法の麻酔 1511
E.カルジオバージョンの麻酔 1513

18. 外来患者の手術および検査での麻酔…崎尾秀彰・奥田千秋…1515
A.適応患者 1516
B.術前準備 1517
C.麻酔前投薬 1517
D.全身麻酔薬 1519
E.術中管理 1519
F.術後退院 1520
G.術後入院 1521

19. 救急手術の麻酔…1524
A. ショック患者の麻酔…清水禮壽・赤澤 訓…1524
A.ショックの病態生理 1524
B.ショックの診断および鑑別診断 1531
C.ショックの治療 1538
D.ショック患者の麻酔 1546

B. 充満胃(full stomach)の麻酔…神山守人…1550
A.充満胃(full stomach)はどういう場合に起こるか 1550
B.充満胃の麻酔準備 1551
C.充満胃の麻酔方法 1552

C. 頭部外傷患者の麻酔…青野 允…1555
A.頭部外傷 1555
B.脊髄損傷(とくに頸髄損傷) 1559

D. 顎・顔面外傷患者の麻酔 …今井孝祐…1564
A.顔面外傷の原因と特徴 1564
B.受傷急性期の気道の確保 1564
C.顔面外傷急性期の麻酔 1565
D.顔面外傷非急性期の麻酔 1567

E. 熱傷患者の麻酔…豊岡秀訓…1569
A.基礎的知識 1569
B.麻  酔 1571

F. 多発外傷患者の麻酔…山中郁男・長浜弘道…1577
A.重症度と緊急度の判定 1577
B.多発外傷の病態生理 1578
C.麻酔管理の理論 1582

G. 胸部外傷の麻酔…無敵剛介…1588
A.胸部外傷患者病態生理学的特異性 1588
B.胸部外傷患者の麻酔管理の特異点 1590
C.各  論 1592

20. アナフィラキシー反応…岩月尚文…1604
A.アレルギー反応 1604
B.アナフィラキシー反応 1605

21. 全身麻酔中・後の合併症 …1614
A. 全身麻酔合併症…北島敏光・緒方博丸…1614
A.循環器系合併症 1614
B.呼吸器系合併症 1620
C.その他の合併症 1624

B. 全身麻酔後の合併症…澄川耕二…1628
A.呼吸器系合併症 1628
B.心血管系合併症 1632
C.腎不全 1635
D.悪心,嘔吐 1636
E.身体外傷 1636
F.覚醒遅延 1637
G.精神機能変化 1637

C. 体温(体温下降,悪性高熱症)…松井一幸・菊地博達…1639
A.正常体温維持系 1639
B.麻酔中の体温変動 1640

VI. 回復室…末包慶太…1647
A.施設 1648
B.記録および申し送り 1649
C.術後管理と合併症 1649

VII. ICU…1655
1. ICU…島田康弘…1656
A.概念 1656
B.ICUの機構 1657
C.ICU患者管理に必要な基本手技 1660

2. 中  毒…山下 衛…1674
A.胃洗浄 1675
B.腸洗浄 1676
C.活性炭の頻回投与 1677
D.血液浄化法 1677
E.強制利尿 1679
F.拮 抗 薬 1680

VIII. 疼痛管理…1685
1. 術後疼痛管理…福島和昭…1686
A.痛みの治療法 1686
B.痛みの機構 1687
C.硬膜外およびくも膜下腔オピオイド 1687
D.硬膜外およびくも膜下腔に使用される鎮痛薬 1690
E.各種鎮痛薬の投与方法と投与量 1691
F.オピオイドの薬物動態 1692

2. 慢性疼痛対策…弓削孟文 …1694
A.慢性疼痛とは 1694
B.麻酔科ペインクリニック外来を訪れる慢性疼痛患者 1695
C.慢性疼痛患者対策 1699

3. 癌性疼痛対策…河野博臣…1708
A.癌疼痛の特徴 1708
B.癌の痛みの診断 1710
C.痛みの治療法 1710
D.鎮痛薬による治療 1710
E.鎮痛薬以外の痛みの治療法 1715
F.鎮痛効果判定と副作用の観察 1716

IX. 呼吸管理…1719
1. 酸素療法と吸入療法…後藤幸生…1720
A.酸素療法,吸入療法の目的・適応 1720
B.正常気道環境とは 1720
C.気管内挿管,吸入全身麻酔管理に際して 1721
D.呼吸療法実施に際して 1725
E.酸素療法実施の目安 1730
F.酸素吸入方法と加湿の実際 1731
G.必要な吸入酸素濃度(FIO2)の決め方 1734
H.酸素化効率の評価法 1736
I.酸素中毒 1736
J.吸入療法としての加湿療法とエアゾール吸入療法 1738
K.エアゾール療法の種類とその実施法 1739
L.吸入療法で注意すべき問題点 1743
M.吸入療法外来におけるケア 1745

2. 高気圧酸素療法…後藤文夫…1747
A.再加圧治療から高気圧酸素治療への変遷 1747
B.高気圧酸素治療(HBO)の作用機序 1747
C.治療装置の種類 1749
D.安全基準と加圧法 1750
E.副作用 1751
F.適応疾患と治療法 1753

3. 気管支肺胞洗浄と肺理学療法…中沢弘一・天羽敬祐…1758
A.気管支肺胞洗浄 1758
B.肺理学療法 1761

4. 人工呼吸…1766
A. 人工呼吸に関する基礎的事項…謝 宗安・大村昭人…1766
A.人工呼吸の歴史 1766
B.人工呼吸(陽圧換気)がもたらす利点 1767
C.人工呼吸による生理的変化と合併症 1768

B. 人工呼吸の分類と人工呼吸の形式…勝屋弘忠…1775
A.人工呼吸の歴史 1775
B.人工呼吸の四つの相 1776
C.人工呼吸の分類 1776
D.現在行われている人工呼吸法の形式 1779
E.人工呼吸と自然呼吸との違いの曖昧化 1783

C. 高頻度換気(high-frequency ventilation;HFV)…井上哲夫…1785
A.概  要 1785
B.HFVの分類 1785
C.HFVの 生理的効果 1788
D.HFVの臨床応用 1790

D. 人工呼吸の適応…安本和正…1793
A.人工呼吸実施の目的 1793
B.人工呼吸が適応となる病態 1794
C.人工呼吸の開始時期の決定 1795
D.各種換気様式が適応となる病態 1798

X. 救急蘇生法…新井達潤…1809
A.救命治療法 1810
B.呼吸・循環停止の診断 1813
C.緊急コール 1814
D.CPR の体位 1814
E.気道確保 1815
F.人工呼吸 1819
G.心蘇生法 1822
H.除細動法 1829
I.CPRと感染 1834
J.心肺蘇生に用いられる薬剤 1836
K.薬剤の投与経路 1840
L.CPRの開始と断念 1841
M.脳蘇生 1842

XI. 麻酔科医の役割,任務,制度…森岡 亨…1849
A.近代医療における麻酔科医の役割 1850
B.麻酔に関連した責任 1852
C.麻酔科医に関係ある制度 1853
D.麻酔科医の将来に対する姿勢 1855

XII. 医療過誤 一瞬の注意義務違反は積年の医事紛争を招く…伊澤 寛…1857
A.医療事故と医療過誤 1858
B.過失とは何か 1858
C.過失と医療事故との因果関係 1858
D.診療上の医師の注意義務 1859
E.医師の過失と医学水準 1860
F.医師としての説明義務 1861
G.患者の同意 1862
H.診療録 1863
I.過失の立証責任(当事者の一方に帰せられる不利益) 1864
J.医療過誤の法律上の責任 1866
K.法律上の責任の所在 1866