PBLD形式で学ぶ麻酔科危機管理
麻酔科医がコマンダーとなって冷静に行動する

PBLD形式で学ぶ麻酔科危機管理

監修 山蔭道明
編集 新山幸俊・平田直之
ISBN 978-4-7719-0448-4
発行年 2015年
判型 B5
ページ数 292ページ
本体価格 7,200円(税抜き)
電子版 なし


周術期管理をあずかる麻酔科医として、想定される危機的状況に対して、常に冷静にかつ適切に対応する能力が必要となる。そういった能力は、多くの症例を経験することから得られる知識と技術に依るところが大きい。(~中略~) 教科書的には知ってはいるものの、どう判断し、麻酔法をどう変更し、そして特効薬はどのように希釈、投与するであろうか? 普段から気にしていないと咄嗟には対応できないものである。(『序文』より抜粋)

日本麻酔科学会で過去2回にわたって取り上げられ好評を博した、PBLD(Problem-Based Learning Discussion)形式による、周術期に起こりうる危機的な状況に対する対応。
学会時に提示した症例を25症例にまで充実させ、また学会時のパネリストはもちろん、その症例ごとに経験豊富な先生に加わっていただきここに書籍化!
具体的には、テーマに沿った具体的な症例を提示し、時系列に質問を数題用意し、その質問に答える形で解答・解説を加え、最終的には、そのテーマのシナリオをコマンダーとして対応するまでの能力と知識を養うものとなっています。

緊急時あるいは術後の合併症などに麻酔科医として適切な対応ができるかどうかを問う内容であり、麻酔科医の方、とくに専門医を目指す麻酔科医の方が受験の際の参考となるようになっています。

A 気道の危機管理 Airway
I.CVCI:cannot ventilate, cannot intubate(笹川智貴)
II.気管支異物(植木隆介)

B 呼吸の危機管理 Breathing
I.麻酔導入時の喘息発作(岩崎創史)
II.抜管の基準(青江知彦)
III.周術期肺塞栓(山内浩揮)
IV.肺高血圧症を合併した非心臓手術(横塚 基)
V.輸血関連急性肺障害(安部伸太郎)

C 循環の危機管理 Circulation
I.危機的大量出血(小川 覚)
II.産科危機的出血(谷口美づき)
III.伝導障害(吉川裕介)
IV.甲状腺クリーゼ(片山勝之)
V.局所麻酔薬中毒(小田 裕)
VI.周術期心筋梗塞(平田直之)

D 中枢神経系の危機管理 Dysfunction of Central Nervous System
I.術中覚醒記憶(坪川恒久)
II.覚醒遅延(佐々木英昭,鈴木健吾)
III.術後末梢神経障害(齋藤貴幸,稲田英一)
IV.硬膜穿刺後頭痛(高木俊一)
V.硬膜外膿瘍(枝長充隆)

E 特殊な緊急対応と手術室危機管理 Emergency and Environmental Control
I.ロクロニウムに対するアナフィラキシー(立岩浩規,河野 崇)
II.悪性高熱症(新山幸俊)
III.輸血拒否患者の緊急手術(相澤 純)
IV.臓器移植麻酔(星 邦彦)
V.DNR:do not resuscitate(廣田弘毅)
VI.麻酔器のトラブル(上農喜朗)
VII.手術中の災害(江島 豊)