形成外科 2023年6月増刊号
形成外科学界未来予想図
我が国における形成外科学界の未来はどうなるのか? 既存の治療法のみを目指すのであれば、日本の形成外科に未来はない。 未来の形成外科学界を切り拓くために、日本の形成外科の未来予想図を語っていただいた。
Ⅰ 創傷分野
1.Scarlessは叶うのか (慶應義塾大学形成外科 貴志和生) S 2
2.在宅における創傷管理の実際 (TOWN訪問診療所形成外科 木下幹雄) S 6
3.創傷治療に対するNPWTの未来 (神戸大学大学院医学研究科形成外科学 榊原俊介ほか) S 10
4.HBOの過去・現在・未来 (甲南医療センター形成外科 芝岡美枝ほか) S 14
5.膠原病性潰瘍への治療戦略を考える (筑波大学医学医療系形成外科 相原有希子ほか) S 18
6.ケロイドの動物モデルは開発できるのか? (日本医科大学武蔵小杉病院形成外科 赤石諭史) S 22
Ⅱ リンパの未来
1.リンパ浮腫外科治療の未来はいかに? (国立国際医療研究センター形成外科 山本 匠) S 28
2.血管柄付きリンパ節移植の未来像 (北海道大学大学院医学研究院形成外科学教室 前田 拓) S 32
3.放射線障害部におけるリンパ管再生は可能か (島根大学医学部附属病院形成外科 林田健志ほか) S 36
Ⅲ 神 経
1.知覚再建手術の未来 (大阪大学医学部形成外科 冨田興一ほか) S 42
2.神経再生に脂肪組織の有効利用がブレイクスルーになるか (京都大学大学院医学研究科形成外科学 素輪善弘) S 46
3.顔面神経麻痺再建の未来を語る (横浜市立大学形成外科 林 礼人) S 50
4.本邦で同種間顔面移植を行うために必要なこと (大分大学医学部附属病院形成外科 清水史明) S 54
Ⅳ デバイスを用いる
1.形成外科分野におけるロボット支援下手術の未来 (佐賀大学医学部形成外科 上村哲司ほか) S 60
2.自動制御による顔面骨切りロボットの開発―Le Fort 骨切り術を安全に実施するために― (ナグモクリニック大阪 丹羽幸司ほか) S 64
3.AR技術を用いた形成外科シミュレーションの未来 (大阪医科薬科大学形成外科 光野乃祐ほか) S 68
4.Mg合金は新たな人工材料となり得るか (東北大学大学院医学系研究科形成外科学分野 今井啓道) S 72
5.形成外科領域におけるCLAPへの期待 (神戸大学医学部附属病院美容外科 桒水流健二ほか) S 76
6.JOINによる遠隔診療 (大分岡病院形成外科 松本健吾) S 80
7.3Dデジタル顕微鏡を用いたマイクロサージャリー (順天堂大学医学部形成外科学講座 市川佑一) S 84
8.皮膚レーザーの未来予想図 (大城クリニック 大城貴史) S 88
Ⅴ 頭頸部・顔面外科
1.動け! 義眼 (大阪公立大学大学院医学研究科形成外科学 元村尚嗣) S 94
2.外国人への外鼻手術 (加藤クリニック麻布ANNEX 山脇孝徳ほか) S 98
3.最高の義眼床手術を目指す (大阪公立大学大学院医学研究科形成外科学 元村尚嗣) S 102
4.片頭痛の形成外科的アプローチ (大阪公立大学大学院医学研究科形成外科学 出口綾香) S 106
5.頭蓋顔面骨のバイオマテリアル―現状と今後― (大阪公立大学大学院医学研究科形成外科学 諸富公昭) S 110
6.顔面再建におけるシミュレーション技術の未来 (京都府立医科大学形成外科 沼尻敏明) S 114
Ⅵ 再生医療
1.軟骨の特殊な能力と未来への可能性 (久留米大学医学部形成外科・顎顔面外科学講座 力丸由起子ほか) S 120
2.再生医療で血管再生・新生を担う(世の中の虚血をなくす) (順天堂大学大学院医学研究科再生医学 田中里佳ほか) S 124
3.CALの過去・現在・未来 (亀田総合病院乳腺センター乳房再建外科 淺野裕子) S 128
Ⅶ 足病診療
1.日本の足病医育成のために (下北沢病院 菊池 守) S 134
2.Surgical offloadingの拡がり (八尾徳洲会総合病院形成外科・創傷ケアセンター 綾部 忍) S 138
Ⅷ 美容診療
1.抗老化医療の未来(各種レーザー) (東海大学医学部外科学系形成外科学 河野太郎ほか) S 144
2.アンチエイジングの未来―脂肪の軟化に着目― (加藤クリニック麻布ANNEX 山脇孝徳ほか) S 148
3.性同一性障害患者へのこれからの形成外科的アプローチ (岡山大学病院ジェンダーセンター 難波祐三郎) S 152
4.がん患者への美容診療 (兵庫県立がんセンター形成外科 熊西麗衣ほか) S 156
Ⅸ 人工知能を用いた形成外科診療の未来
1.医療における人工知能の導入 (兵庫医科大学形成外科 西本 聡) S 162
2.人工知能による顔面神経麻痺の評価 (杏林大学形成外科 木村武一郎ほか) S 166
3.創傷治療に対するAIの未来 (神戸大学大学院医学研究科形成外科学 榊原俊介ほか) S 170
Ⅹ その他
1.形成外科医による手外科の未来予想図―真の手外科専門医とは?― (仙台医療センター形成外科・手外科 鳥谷部荘八) S 176
2.難治性脈管異常に対する分子標的治療薬の展望 (岐阜大学大学院医学系研究科小児科学 小関道夫) S 180
我が国における形成外科学界の未来はどうなるのか?
既存の治療方法のみを目指すのであれば、日本の形成外科に未来はない。
これまでに、形成外科は他診療科では困難な、もしくはニッチなunmetneedsを探し続けることで力をつけてきました。そして、それは長いスパンで考え抜かれたものでなければなりません。そのためには、常に新しい分野への開拓精神を要します。情熱をもって未来の形成外科学界を切り拓くために、日本の形成外科の未来予想図を語っていただきたいと思います。