口唇裂口蓋裂の総合治療 改訂第2版
成長に応じた諸問題の解決
患者さんも含め口唇裂口蓋裂の知識を必要とする全ての方々のために。体裁,内容ともに一新して待望の改訂
総論
はじめに
1.外科的治療の立場から
2.矯正歯科の立場から
3.言語聴覚士の立場から
I.口唇裂口蓋裂の分類,統計,原因
1.分類
2.統計
(1)発生率
(2)手術件数,住居地域分布
(3)性別比
(4)発現率
(5)裂の程度
(6)家系内発生
(7)親の年齢による影響
(8)出生順位
(9)ほかの合併異常
(10)死亡率
3.原因
(1)環境的要因
(2)遺伝的要因
(3)先天異常症候群
(4)多因子遺伝
II.口唇,口蓋の発生と解剖
1.顎顔面の発生(外鼻,口唇の発生)
2.口蓋の発生
3.顔面の解剖(主として外鼻,口唇を中心に)
(1)外鼻の解剖
(2)口唇の解剖
(3)口蓋の解剖
III.口唇裂口蓋裂の発生と解剖
1.口唇裂口蓋裂の発現機序
(1)口唇裂の発生
(2)口蓋裂の発生
2.口唇裂の解剖
(1)顔面筋
(2)動脈分布
(3)顎および外鼻形態
3.口蓋裂の解剖
(1)骨の解剖
(2)口蓋諸筋の解剖
4.臨床へのつながり
IV.チームアプローチとしての取り組み
A.当院におけるチームアプローチ
はじめに
1.口唇裂口蓋裂専門外来
2.チームアプローチによる治療方針
(1)0歳~3カ月(I期)
(2)3カ月~2歳(II期)
(3)2~6歳(III期)
(4)6歳~青年期(IV期)
まとめ
B.矯正歯科の役割
はじめに
1.幼児期
2.乳歯列期(3~6歳頃)
3.混合歯列期前期(7~9歳頃)
4.混合歯列期後期(9~11歳頃)
5.永久歯列期前期(12~14歳頃)
6.永久歯列期後期(15~18歳頃)
C.言語聴覚士の役割
はじめに
1.知能の発達
2.言語の発達
(1)語彙や構文
(2)構音
3.運動・社会性・行動・情緒などの発達
4.言語治療とは
(1)鑑別診断
(2)言語治療
(3)チームの中での役割と位置
(4)就学指導
(5)就学後の問題
各論
I.出生直後の諸問題
A.看護職者(看護師,助産師,保健師)の役割
はじめに
1.保育指導
(1)授乳
(2)離乳
(3)保育
2.母親・家族への援助
(1)母子関係
(2)出生直後の母親の心理
3.母子保健活動と遺伝相談
(1)遺伝相談
(2)育成医療
4.術前術後の看護
(1)口唇裂形成術後の看護
(2)口蓋裂手術後の看護
B.小児科医の役割
1.哺乳,栄養指導
(1)母乳栄養の長所
(2)哺乳
(3)育児用調整粉乳
2.小児科的指導
3.先天性形態異常の合併
C.耳鼻科医の役割
はじめに
1.聴力の管理
2.耳鼻科的疾患の予防
(1)滲出性中耳炎
(2)化膿性中耳炎
(3)鼻副鼻腔炎
(4)扁桃疾患
(5)その他
II.乳幼児期(0~3歳)
A.外科医の役割
1.口唇裂初回手術
(1)クリニカルパス
(2)術式の変遷
(3)片側性口唇裂の手術
(4)両側性口唇裂の手術
2.口蓋裂初回手術
(1)クリニカルパス
(2)術式の変遷
(3)口蓋裂手術の実際
B.矯正歯科医の役割
1.歯の形成,萌出の異常
(1)歯の発育段階
(2)歯の発育異常
2.顎の形態異常と術前顎矯正
(1)口唇裂口蓋裂患者の顎形態
(2)術前顎矯正
3.う蝕とその管理
(1)乳幼児におけるう蝕の実態
(2)乳歯う蝕の問題点
(3)乳歯う蝕に対する管理の方針
C.言語聴覚士の役割
1.全体的発達の管理と指導
2.両親指導とその援助の必要性
(1)両親指導
(2)福祉的援助
3.評価と指導のあり方-言語(構音)発達促進訓練など-
4.乳幼児期の母親の心理
III.就学前期(4~6歳)
A.外科医の役割
1.口蓋裂二次形成術
(1)口蓋瘻孔の閉鎖術
(2)咽頭弁形成術
2.口唇裂二次形成術
(1)赤唇部形成術
(2)先天性下口唇瘻(vanderWoude症候群)の修復
(3)片側性口唇裂の外鼻形成術
(4)両側性口唇裂に特有な変形
(5)両側性口唇裂の鼻柱延長術
B.矯正歯科医の役割
1.矯正治療の開始時期
2.顎と歯列の発育ならびに顎裂部骨欠損の評価
3.保隙処置
4.発音補助装置
(1)栓塞子
(2)軟口蓋挙上装置
(3)スピーチエイド
C.言語聴覚士の役割
1.集中的構音訓練
(1)評価と予後
(2)構音訓練プログラムの立案と実施
2.外科的・補綴的治療の必要性に関する評価
(1)咽頭弁形成術
(2)瘻孔閉鎖術
(3)口蓋閉鎖床,義歯
3.入園(所)指導
4.就学指導
IV.学童期,思春期以後
A.外科医の役割
1.学童期(7~12歳)
(1)顎裂部への骨移植術
(2)広い顎裂部への骨移植術
2.思春期以後(13歳以降)
(1)白唇部形成術
(2)反転唇弁術(Abbe法)
(3)鼻中隔を含む外鼻形成術
(4)顎骨外科矯正術
B.矯正歯科医の役割
1.学童期(7~12歳)
(1)混合歯列期の矯正歯科治療
(2)顎裂部骨移植術の準備ならびに術後評価
2.思春期以後(13歳以降)
(1)永久歯咬合の確立
(2)保定
C.言語聴覚士の役割
1.構音の管理と対応
2.学校生活への適応とその指導-学習障害とコミュニケーション障 害の予防-
3.社会生活適応への精神的・心理的援助
索引