ADVANCE SERIES II-3 内視鏡下手術:最近の進歩
序…丸山 優
I.内視鏡下手術の基本
1.形成外科内視鏡下手術の歴史…秦 維郎/3
A.概念/3
B.内視鏡と内視鏡下手術の歴史/4
C.欧米での形成外科内視鏡下手術の歴史/6
D.日本での形成外科内視鏡下手術の歴史/7
2.形成外科内視鏡下手術の実際…丸山 優/10
A.概念と基本原理/10
B.内視鏡下手術を行なうにあたって/16
C.インフォームドコンセント/16 D.適応/16
3.内視鏡下手術の基本手技…鳥居 修平・亀井 譲/19
A.直視下手術との相違点/19
B.術野の種類/19
C.手術機器/19
D.トレーニング/22
E.術前の準備/22
F.基本手技/23
G.術後管理/24
H.考察/24
II.頭蓋顎顔面領域の内視鏡下手術
4.内視鏡下前額除皺術…野平久仁彦・新冨 芳尚/29
A.概念/29
B.解剖/29
C.術前の評価/31
D.手技/31
E.術後管理/33
F.症例/33
G.考察/33
5.腓腹神経採取と顔面神経麻痺再建へのアプローチ…菅原 康志・波利井清紀/36
A.腓腹神経採取について/36
B.眉毛挙上術について/39
6.顔面骨骨折における内視鏡下手術…新橋 武・遠藤 利彦/45
A.概念/45
B.器具/46
C.手技/47
D.症例/48
F.考察/48
7.顔面骨骨切りの内視鏡下手術…坂井 靖夫・大森喜太郎/54
A.概念/54
B.解剖/55
C.術前の評価/55
D.手技/56
E.術後管理/59
F.症例/60
G.考察/63
8.鼻・鼻中隔の内視鏡下手術…内田 彰子・中山 凱夫/66
A.概念/66
B.解剖/67
C.術前の評価/67
D.手技/67
E.術後管理/72
F.適応症とその手技/72
G.考察/72
9.内視鏡を用いた鼻咽腔機能評価…近藤 昭二・松尾 清/75
A.概念/76
B.解剖/76
C.手技/76
D.症例/79
E.考察/81
10.内視鏡下fronto-orbital advancement…平林 慎一・菅原 康志/85
A.概念/85
B.解剖/86
C.手技/86
D.考察/88
11.視神経管開放術…小笠原 寛・西村 善彦/90
A.概念/90
B.解剖/91
C.術前の評価/91
D.手技/92
E.症例/94
F.考察/96
III.躯幹・四肢の内視鏡下手術
12.乳房・胸壁の形成術…野平久仁彦・杉原 平樹/99
A.概念/99
B.解剖/99
C.術前の評価/100
D.手技/100
E.術後管理/102
F.症例/102
G.考察/104
13.Tissue expansion法…竹内 正樹・野崎 幹弘/107
A.方法/107
B.術後管理/108
C.症例/109
D.考察/110
14.皮弁採取移植術…大西 清/112
A.概念/112
B.解剖/113
C.術前の評価/113
D.手技/113
E.術後管理/118
F.症例/118
G.考察/121
15.空腸・大網採取移植術…亀井 譲・鳥居 修平/124
A.概念/124
B.解剖/124
C.術前の評価/125
D.手技/126
E.術後管理/127
F.合併症/129
G.症例/130
H.考察/131
16.内視鏡を利用した漏斗胸と鳩胸の修正…小林誠一郎/132
A.概念/132
B.手技/132
C.術後管理/137
D.症例/137
E.考察/138
17.Subcutaneous surgery…岩平 佳子/143
A.形成外科的内視鏡システム/143
B.適応/144
C.手技/145
D.症例/150
E.考察/153
18.手根管開放術…新家佳代子・西村 善彦/156
A.概念/156
B.解剖/157
C.術前の評価/158
D.手技・機器・機材/159
E.術後管理/165
F.考察/165
19.内視鏡下微小吻合術と血管内手術…澤泉 雅之・丸山 優/168
A.内視鏡下微小吻合/168
B.血管内手術/175
IV.内視鏡下手術の進歩
20.遊離組織移植後のモニタリングへの応用…水沼 雅斉・梁井 皎/187
A.概念/187
B.手技/188
C.症例/189
D.考察/190
21.三次元内視鏡下手術…井砂 司・野崎 幹弘/194
A.三次元視の原理/194
B.三次元内視鏡装置の構成/195
C.症例/197
D.考察/201
22.将来と展望…丸山 優/204
A.マイクロマシーン/204
B.ロボテック・エンドサージャリー(RES)/207
C.その他/207
索 引…211
近年,医学情報伝達系としてのvisualizationや手術器械の急速な発展は,外科系各科領域に大きな変革をもたらした。“Endoscopic surgery”は内視鏡を用いて行なう手術分野の総称で,この恩恵をもっとも多く受けた分野である。かつてマイクロサージャリーが肉眼下手術の壁を打破 した画期的な新しい手術法を育んでいったのと同様に,内視鏡下手術はこれからの世代には必須基本手技の1つとなると思われる。
形成外科領域でも,neckとなっていた明視腔作成,保持,確保といった諸点の解決とともに爆発的な広がりを見せ始めている。頭蓋顎顔面領域では,美容 外科,顔面神経麻痺,顔面骨骨折,顔面骨骨切り術,鼻・鼻中隔や,口蓋裂・唇裂などの鼻咽腔機能評価,眼窩頭蓋底への応用,躯幹・四肢領域では,乳房再建 や,筋弁,筋膜弁などの皮弁作成および移植術,tissue expansion,腹腔内操作を要するdonor採取,移植,漏斗胸手術,脂肪腫,腋臭症などを含めた総合的subcutaneous surgery,手根管手術,血管吻合およびモニタリング,血管内操作を伴う血管形成など,多方面に応用されるに至っている。
本書は,現時点でそれぞれの分野におけるパイオニアともいうべき方々に執筆して頂いた。一方で,内視鏡下手術は発展途上の段階にあり,進歩も止まること を知らない。したがって,読者には本書が現況の把握のみでなく,今後の発展のためのきっかけ,課題が宝島のように内包されているものと考えて頂きたい。
本分野に興味を持つ方々の参考になれば幸いである。 (編者序文より抜粋)