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緊急麻酔

B5判・218頁
定価7700円
ISBN4-7719-0125-2

【書籍名】緊急麻酔
【品番コード】00125
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序文

緊急に外科的治療を加えれば,患者の生命が危機より脱し,あるいは患者の全身状態がより改善する場合に外科医はしばしば遭遇する。このような外科的治療を可能とするのが麻酔科医による『緊急麻酔』である。近時緊急麻酔はとみにその質が問われ,ただ単に麻酔を行えばよい状態から,非常に洗練された知識と技術が必要とされる,臨床麻酔の中で最も重要な分野となりつつある。

わが国における緊急麻酔に関する著書は,昭和40年代古川哲二氏が著した『Emergencyの麻酔』のみと記憶している。この著書はすでに絶版となった。そこで編集者は緊急麻酔に関する体系的専門書が必要であると考え,本書の出版を企画した。

本書の表題を『救急麻酔』とせず『緊急麻酔』としたのは,救急のもつ一時的(刹那的)な響きを避け,緊急麻酔を確立した科学的な麻酔の一分野にしたいためである。

本書の構成を4部とし,最初に緊急麻酔の実際を述べ,周術期管理,合併症の管理治療と進み,最後に麻酔科の態勢の問題を取り上げた。臨床に追われる若手麻酔科医が必要とする順序に内容を配置した。

編集者の勤務する病院は救急医療活動が盛んであり,わが国でも緊急麻酔症例の多い施設と考えられる。そこで麻酔科教室員のみならず,経験豊富な外科(腹部外科,胸部外科,脳外科,泌尿器科)・内科の諸先生,関連の都立清瀬小児病院の鈴木玄一先生にも執筆をお願いした。快く執筆を引き受けて頂いた諸先生に深甚の謝意を表する次第である。また本書の出版に当たってご尽力を頂いた克誠堂出版珠式会社の古賀教子様,栖原イズミ様,今井彰社長に感謝を申し上げる。

1993年初春
編集者 日本医科大学麻酔科学教室 小川 龍

目次

1.術後痛の成因 花岡一雄,百瀬 隆 1

1.術後痛に対する考え方 1
2.術後痛の病態生理 2
3.炎症時における痛みの生化学 4
4.痛みの起こるしくみ 7
5.神経伝達物質ニューロペプチド 10
6.侵害情報インパルスの上行伝播 11
7.疼痛の解コード 11
8.術後疼痛による生体反応 13
おわりに 13

2.術後痛に対する硬膜外鎮痛法−局所麻酔薬+鎮痛薬− 山室 誠,日下 潔 15

はじめに 15
1.術後鎮痛法の変遷 16
2.術後疼痛管理の変遷から見た現状と将来への展望 34
おわりに 39

3.ディスポーザブル微量持続注入器による術後痛管理 宮崎東洋 43

1.ディスポーザブル微量持続注入器の種類と特性 43
2.ディスポーザブル微量持続注入器の臨床的特徴 47
3.硬膜外腔持続薬液注入 49
4.静脈内持続薬液注入 62
まとめ 63

4.術後鎮痛法としてのpatient-controlled analgesia 光畑裕正,清水禮壽 66

1.術後疼痛管理でのpatient−controlled analgesia(PCA) 66
2.PCA法による鎮痛薬の投与法,投与条件の設定 70
3.投与経路 71
4.PCA注入器具 75
5.PCA法による合併症 79
6.PCAと非ステロイド抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drug;NSAID)との併用 81
7.PCA法による実際的な問題点 81
まとめ 82

5.特殊な鎮痛対象 89

A.小児の術後痛とその管理 堀本 洋 89

はじめに 89
1.新生児の痛みの感じ方 89
2.誰が術後痛の管理を行うのか? 91
3.術後鎮痛の歴史 91
4.術後痛の小児に与える精神的影響 92
5.術後痛の小児に与える生理学的影響 93
6.小児の痛み時の態度の特徴 95
7.小児の痛みの評価 96
8.術後鎮痛の実際 100
9.鎮痛薬の全身投与 105
10.局所麻酔を用いた局所ブロック(regional block) 110
11.術後鎮痛の教育 111
おわりに 112

B.ICU患者 行岡秀和 118

はじめに 118
1.術後痛に関与する因子 119
2.術後痛の評価と呼吸モニタリング 119
3.鎮痛の意義 120
4.各種鎮痛法 121
5.呼吸器疾患をする患者の鎮痛法 125
6.高齢患者の鎮痛法 125
7.ICUにおける術後痛管理の実際 126
おわりに 136

6.オピオイド鎮痛薬の薬理学的特性 野崎正勝 140

1.オピエートとオピオイド 140
2.オピオイドペプチド 142
3.オピオイド受容体 146
4.オピオイドによる痛みの制御 152
5.拮抗性鎮痛薬の性質 154
6.κ作用による鎮痛 158
7.脊髄レベルにおける直接作用 159
まとめ 160

7.疼痛ストレスと細胞性癌遺伝子 仙波恵美子166

はじめに 166
1.ストレスホルモンについて 170
2.疼痛と細胞性癌遺伝子の発現 172
3.ストレスと細胞性癌遺伝子の発現 180
まとめ 197
索引 203
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