書籍検索








ホーム > 麻酔科学(ペインクリニック) >麻酔・医療ガス機器用語解説

麻酔・医療ガス機器用語解説


定価2,800円
ISBN4-7719-0187-2

【書籍名】麻酔・医療ガス機器用語解説
【品番コード】00187
購入数

国際用語の推薦の言葉

医療ガスを使う医療用具や機器,更に医療ガス配管設備の安全対策や規格作りに,国際的にも国内でも長年献身的な活躍をして来られた鳥取大学医学部麻酔科の佐藤暢教授がそのライフワークの一端として「麻酔・医療ガス機器用語解説」をまとめられたのは誠に時機を得た事業であると心からお喜び申し上げます。

折しも日本を中心に国際医療ガス学会が旗揚げをして,1997年9月24日から26日には東京で初めて本格的な世界的学会が,東京医大の渋谷健学長を会長として,日本大学医学部板橋病院麻酔科 内山正教氏を事務局長として東京・品川にて開かれようとしているからであります。このような国際学会が日本を発進の基点として開かれるのは今までは稀なことでしたが,漸く日本にもそれだけの実力がついてきたものと言えましょう。勿論,学会である以上,新しい医療ガスの開発,その使い方,生理や薬理作用などが中心となりましょうが,まずはその基本として国際的に通用する用語とその正しい認識,すなわち定義づけがbaseにならなければ,研究もその発表も国際的にはなりえません。その意味でも,ISOを中心にした用語の解説は,日頃使っている当り前の用語でも,それを国際的に通用する言葉で定義し,はっきりと認識しなおすと言う意味で誠に意義が深いものと言えましょう。

勿論,学問や医療技術の進歩とともに,新しい用語が生まれ,その使われ方も変わって来るでしょう。一方,歴史的な意味で,また現状と対比する上で何時までも正しく認識しておきたい旧い用語も少なくありません。いずれにしても著者が自ら序文に示しているように,これはその第一段階であり,時代とともに追補,改訂を度々繰り返して末長く成長して行かねばならない事業であることは間違いないと思います。幸い著者は本年3月末鳥取大学からの停年退官後の連絡先を国際医療ガス学会事務局に移したいと希望しておられるので,たとえ著者が居なくなっても次回からの改訂は国際医療ガス学会の方で続けていく用意があり,出版元の克誠堂の方でも末長く協力して戴けるものと確信しています。従って,学会の人も業会の人も本書の用語と定義で共通の認識を持ち,広く国際的に情報交換できるように,質問,疑義,追加の希望など思いつかれる方は下記の事務局(内山事務局長)あてに遠慮なく意見を申し出て下さい。きっと数年を待たずして,本書は国際医療ガス学会編として大きく成長し,改訂を重ねながら受け継がれて行くことを期待して,広く活用されることを薦める次第です。

1997年2月10日
〒173東京都板橋区大谷口上町30-1
日本大学医学部附属病院麻酔科学教室内
国際医療ガス学会事務局
日本大学名誉教授
山本 亨
TEL.03-3972-8111(内)2560
FAX.03-3972-8517

序文

日本麻酔学会にも,また関連学会にも長年用語委員会が活躍しているが,そこでは英文の専門用語を主体にそれに対応する日本語を決めるのが仕事であって,各用語の意味を定義づけるまでに致らないのが実情のようです。ところが,小生が国際標準化機構(ISO)のTC 121(第121技術委員会)で,Anaesthetic and Respiratory Equipmentの会議に出席して驚いたことは,まず用語の定義を決めることは,文化の基礎であると言う欧米人の認識でありました。かくして,OxfordとかWebsterというような有名な辞書ができたのでしょうが,手元のConcise Oxford Dictionaryでdefinitionを引いてみますと,「Stating the precise nature of a thing or meaning of a word」と出てきて,当り前の事でありながらもなる程と思わせます。

各国際規格では,技術的規定要素(Technical normative elements)の第一番がDefinitionsであって,“For the purpose of this International Standard, the following definitions apply.”でまず始まらねばならないことになっております。実際に会議の現場では一つの専門用語の定義をめぐって,数時間も延々と議論されることもあり,正直言って英語を母国語としない私はうんぎりしてしまうこともありました。しかしながら一方では従来の英語の表現にとらわれないからこそ国際的に通用する理論的な記載ができる面も多々ありました。このように各規格は規格本文の内で使う用語(terminology)を定義し,それらをまとめてvocabularyとすることから始まりますが,時代とともに当然用語も定義も推移するので見なおしが必要です。

近年は日本工業規格(JIS)も国際化の波に乗って用語と定義をまず載せる形式になって来ました。JISは,元来日本の工業製品を政府調達などを便利にするために設けられたものですので,通産省工業技術院の所管であり,厚生省の主管である医療機器には歓迎されない面もありましたが,各国の国内規格はなるべく一本に統合し,しかもISOが工業製品でない記号や符号,情報サービス,測定や制作技術,品質管理,そして環境保護の基準や監視方法まで広く国際的に統一する方向に発展するに及んで,JISも国際的整合でその方向に向かっているのは御存じの通りです。

ISOには,各国際規格で必要な用語を定義するだけでなく,専門の用語委員会もあり,ISO/TC 121ではSC 4(terminology)がそれに当っていますが,そこではTC 121で作る国際規格の内で使う用語の整合性をはかるとともに,国際的なAnesthesiology vocabularyを作る唯一の専門機開として,英仏両語でISO 4135を編集しています。そこでまず麻酔から始まって各種の麻酔方法や前投薬まで定義していますので,本書でもそれらを採用しますが,さすがに現状は各国際規格に出て来る関連機器の用語の整理に追われている実情です。

本書では次の参考文献に見られるようなJIS,ISO,IECの用語と定義をベースに解説しましたので,標題のように麻酔機器,蘇生用具,医療ガス機器と施設やモニターなどの関連に限られ,患者の生理や病理,疾患に関するものは含まれておりません。また,できるだけ言語だけで表現する辞書的文化に主眼を置いたので,図や写真はできるだけ省きました。なお,人工呼吸器などで新しい技術に関する用語は,まだ規格化されていなくても入れるように努力しましたが,時代とともに改訂,追補を重ねて充実する必要があるので,まず第一段階を発表して諸賢の御叱責を待つ心境であります。

編著
鳥取大学教授
佐藤 暢

その他のシリーズはこちら->

このページのtopに戻る