書籍検索








周術期の体温管理

山蔭道明 編

B5判・294頁
定価7,980円(本体7,600円+税5%)2011年
ISBN978-4-7719-0382-1

【書籍名】周術期の体温管理
【品番コード】00382
購入数

 

主に臨床の現場で若手の麻酔科医を日々指導している麻酔科専門医の方、あるいは専門医を目指している麻酔科医の方を対象に、体温管理に関して一歩も二歩も踏み込んだバイブル!

神経ブロックを含め麻酔を行うと体温調節中枢が抑制され、また麻酔薬による血管拡張も加わり体内各部位間での温度の再分布が始まり、重要臓器の温度いわゆる“中枢温”が低下する(再分布性低体温)。これに熱の産生・放散のアンバランスが加わり、体温はさらに低下する。なんらかの適切な加温や保温を行わないと、麻酔覚醒時には低体温となる。術後の軽度低体温はシバリングを引き起こすが、最近、患者の予後にも多大な悪影響を与えることが明らかとなってきた。例えば、術中出血量が増加したり、創部感染の頻度が増加したり、また術後の心イベントが増加したり、入院期間が延長する。そのため、われわれ麻酔科専門医は、呼吸・循環管理と同様、体温管理にも最大の注意を払うべきである。 (序文より)

 

目次

I.体温の生理学

1.体温の調節と調節中枢(池田健彦)

はじめに
中枢温と末梢温
求心性温度感知
中枢での制御
遠心性調節
発熱

2.皮膚の重要性(池田健彦)

はじめに
皮膚での温度感知
脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔時の皮膚からの温度入力の変化
遠心性体温調節効果器としての皮膚
皮膚の加温

II.周術期の体温管理

1.術前の発熱と対応(山内正憲)

はじめに
発熱の原因検索
医療従事者による対応の違い
手術・麻酔への対処の基本
発熱の原因による症状と手術・麻酔への対処の違い
術前の発熱の予防

2.体温測定法─その利点とピットホール─(及川慶浩、山蔭道明)

はじめに
深部体温の“深部”とは生体のどこの部位を意味するか?
手術中の部位的温度変化に影響する要因
肺動脈温測定の利点とピットホール─中枢温としての深部体温の基本は肺動脈温と考える─
直腸温測定の利点とピットホール─中枢温といえば直腸温を思い浮かべるが! 本当にそれでよいか?─
食道温測定の利点とピットホール─中枢温としての食道温の優位性─
膀胱温測定の利点とピットホール─直腸温を測定するくらいなら膀胱温が有用─
口腔温:舌下温測定の利点とピットホール─知る人ぞ知る!? 術中体温モニターとしての口腔温─
鼻咽頭温の利点とピットホール─脳温をよく反映するが測定技術が必要!─
前額部深部体温の利点とピットホール─深部体温は中枢温と同義ではない!─
皮膚赤外線体温計の利点とピットホール1─非接触的な皮膚外殻温(露出部)測定で深部温は測れるか?─
皮膚赤外線体温計の利点とピットホール2─末梢体温は末梢循環状態を推測する─
鼓膜温の利点とピットホール─非侵襲的、かつ連続的測定が可能であれば鼓膜温が理想的!─
  1)接触型プローブによる鼓膜温測定の利点とピットホール
  2)非接触型プローブによる鼓膜温測定の利点とピットホール
おわりに

3.麻酔・手術時の低体温:その原理(正宗大士、松川 隆)

はじめに
麻酔中の熱の喪失
麻酔下での体温調節機構
  1)閾値温度/2)ゲインと最大反応強度
硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔時の体温調節
熱のバランス
全身麻酔時の熱の再分布
硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔時の熱の再分布
麻酔前投薬と体温低下
まとめ

4.麻酔・手術時の低体温:その悪影響(澤田敦史)

はじめに
周術期におけるシバリング
  1)体温調節性シバリング/2)非体温調節性シバリング/
  3)麻酔薬のシバリングに及ぼす影響/4)シバリングの予防、治療
出血量・止血機能に与える影響
循環系に与える影響
創部感染・入院期間に与える影響
まとめ

5.手術中の体温変化

A 小児(中山雅康)
  はじめに
  小児の体温調節の特徴
   1)熱喪失/2)熱産生/3)体温調節中枢が未熟
  全身麻酔と小児の体温調節
   1)熱喪失/2)熱産生/3)体温調節中枢
  麻酔中の体温変化
   1)体温低下/2)体温上昇
B 高齢者の体温調節とその管理(山蔭道明)
  はじめに
  高齢者の体温調節
   1)高齢者の生理学的体温調節/2)麻酔による高齢者の体温調節能の変化
  低体温による悪影響
  高齢者の体温管理
  まとめ

6.加温・保温装置(早瀬 知)

はじめに
周術期患者加温の方法
  1)輸液加温法/2)温風加温法/3)温水循環式加温法/
  4)カーボンファイバー式保温装置/5)術前患者加温
実際の術式ごとの加温装置・方法の選択
  1)術前加温/2)一般下腹部外科手術/3)上腹部〜胸部外科手術/
  4)心臓血管外科手術/ 5)四肢手術/6)頭頸部手術/7)砕石位手術
まとめ

7.輸液加温装置(新山幸俊)

はじめに
術中低体温に輸血・輸液が及ぼす影響
  1)輸血・輸液による熱損失/2)輸血の加温について/
  3)理想的な加温装置/4)加温方式/ 5)加温方式による加温効率/
  6)加温装置/7)急速輸血装置/8)アミノ酸輸液
おわりに

8.冷却法、冷却装置(名和由布子)

はじめに
いつから体温を下げるか?
  1)術前からの高体温/2)術中の体温上昇/3)術後の高体温
どのように体温を下げるか?
  1)冷却法/2)冷却装置
まとめ

9.悪性高熱症:病態、症状、対応法(成松英智)

はじめに
病態
  1)病態生理/2)疫学/3)誘因薬物/4)発症素因
症状
  1)初期症状/2)高体温、発熱/3)筋強直/4)代謝異常亢進/
  5)ミオグロビン尿/6)循環変動/7)皮膚症状/8)進行症状
診断
  1)臨床診断/2)検査診断
治療
  1)発症時/2)症状寛解後
予防法・麻酔法選択
  1)術前情報/2)前投薬/3)術前麻酔準備/4)術中モニター/5)麻酔法

10.低体温麻酔法(宮下 龍)

はじめに
低体温麻酔の原理
低体温麻酔の生理
  1)酸素代謝/2)糖代謝/3)薬物代謝/4)循環器系変化/
  5)中枢神経系変化/6)高次脳神経機能/7)出血傾向/
  8)血液ガス/9)酸塩基平衡
低体温麻酔の利点
低体温麻酔の欠点
低体温麻酔の注意点
経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support:PCPS)による低体温麻酔
その他の方法による低体温麻酔

11.シバリング:原理と予防法(廣田和美)

はじめに
シバリングの原理
  1)体温調節性シバリング/2)非体温調節性シバリング
術後の正常体温でのシバリング
レミフェンタニルとシバリング
シバリングの予防法
  1)熱の喪失の抑制/2)熱再分布の抑制/3)熱産生/4)鎮痛
シバリングの治療
  1)加温/2)薬物療法
明日からできるシバリング対策

12.温熱療法(杉野繁一)

はじめに
温熱療法とは?
温熱療法の理論
  1)温熱療法の歴史/2)温熱療法の理論的背景
温熱療法の実際:どうやって加熱する?
  1)全身を加熱する/2)局所を加熱する/3)腹腔を加熱する
まとめ

III.ペインクリニック

1.サーモグラフィ(中山禎人)

はじめに
サーモグラフィとは
サーモグラフィの原理
機器の構成
ペインクリニックにおける疾患とサーモグラフィ
  1)自覚症状による診断法/2)他覚症状による診断法/3)痛みと皮膚温
ペインクリニックでの実際の応用
  1)急性痛/2)帯状疱疹後神経痛/3)血行障害を原因とする疾患/
  4)神経ブロック後の効果判定
実際の測定時における注意点
ペインクリニック以外での応用法
発熱性疾患とサーモグラフィ

2.交感神経ブロック(新谷知久)

はじめに
交感神経系の概要
交感神経の血管支配と皮膚血流・皮膚温
  1)交感神経の血管支配/2)皮膚血流と皮膚温/
  3)交感神経ブロックによる血流の変化
交感神経と疼痛
交感神経ブロック
  1)星状神経節ブロック(stellate ganglion block:SGB)/
  2)腰部交感神経節ブロック(lumbar sympathetic block)/
  3)腹腔神経叢ブロック(celiac plexus block)/
  4)局所静脈内交感神経ブロック(intravenous regional sympathetic block:IRSB)

IV.救急領域

1.偶発性低体温症(鳥谷部政樹)

はじめに
疫学
原因
  1)高齢者/2)新生児/3)ホームレス/4)薬物/5)感染/
  6)皮膚疾患/7)代謝/8)神経系
病態
  1)心血管系/2)シバリング/3)呼吸器系/4)脳神経系/
  5)代謝系/6)腎/7)消化管/8)血液凝固系
診断
  1)体温の測定/2)原因検索
治療
  1)再加温法/2)原因疾患の治療/3)蘇生中止の判断
トムラウシ山遭難事故

2.熱中症(七戸康夫)

はじめに
概要
病態生理
診断
治療
  1)初期評価とABCの安定化/2)全身観察と体温管理/
  3)臓器不全対策/4)脳保護
鑑別診断
  1)感染症(敗血症)/2)感染症(脳炎、髄膜炎)/
  3)悪性症候群(neuroleptic malignant syndrome:NMS)/
  4)セロトニン症候群/5)急性薬物中毒(アンフェタミン、MDMA)/
  6)悪性高熱症/7)甲状腺クリーゼ
ピットフォール

V.ICU

1.軽度低体温療法(吉田真一郎)

はじめに
低体温療法の歴史
意義
適応
方法
効果
有害作用
ピットフォール
低体温療法のこれから

VI.用語の解説(水上奈穂美、橘 信子)

その他のシリーズはこちら->

このページのtopに戻る