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高齢者の周術期管理

澄川耕二  編

B5判・390頁
定価(本体9,500円+税)2014年
ISBN978-4-7719-0435-4

【書籍名】高齢者の周術期管理
【品番コード】00435
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高齢者にとって、手術はその後の日常生活動作や生命予後に大きな影響を及ぼす一大イベント。
そのため周術期管理の果たす役割はきわめて大きいです!


高齢者の周術期管理の在りようは、今日の急性期医療の質を決める重要な因子となっており、そこには高齢者医療に加えて、介護と連携する医療への理解も求められます。
本書はこのような視点から、高齢者の本質を理解し、適切な周術期管理を実践することを目的に、必要な知識を網羅しました。

 

目次

I.高齢者に関する基礎知識

1.高齢者の定義(澄川耕二)

高齢者の定義と区分
高齢者区分の特徴
加齢(aging)と老化(senescence)
暦年齢(chronological age)と生物学的年齢(biological age)
老化の生物学的指標(biomarker of senescence)
  骨密度(bone mineral density)/動脈脈波伝播速度(pulse wave velocity)/
  テロメア(telomere)の長さ/外見年齢(perceived age)

2.老化の現象と機序(諸岡浩明、澄川耕二)

老化の現象
老化の機序
  プログラム説/フリーラジカル説(酸化ストレス説)/
  そのほかの老化学説

3.加齢による生理機能の変化(河野太郎、柏田政利、恒吉勇男)

循環器系
  器質的変化/心血管組織の硬化反応/神経性調節機能/
  カテコールアミン受容体の変化/不整脈の発生
呼吸器系
  器質的変化/呼吸機能の変化/ガス交換能力/
  呼吸と酸素摂取量/呼吸調節能力
肝機能
  器質的変化/肝機能の変化
腎機能
  器質的変化/腎機能の変化
神経系
  器質的変化/神経伝達系の変化/感覚機能の変化/
  記憶の変化
内分泌系
  成長ホルモン/糖代謝/甲状腺/副腎/
  性腺/抗利尿ホルモン/カルシウム代謝/
  メラトニン
体温調節機能
  健康成人の体温調節機構/温度の検知と伝達/
  体温上昇の制御/低体温の制御/
  行動性体温調節/高齢者と麻酔

4.高齢者に特有の病的状態(原 哲也、穐山大治)

認知機能障害
  疫学/分類/診断/主要な認知機能障害
誤嚥
  病因/症状/予防
うつ
  疫学/診断/治療/修正型電気痙攣療法
低栄養
  問題点/栄養管理/医療との関連
脱水
  特徴/症状と予防
排尿障害
  疫学/前立腺肥大/過活動膀胱
めまい
  特徴/椎骨脳底動脈不全症/起立性調節障害/
  メニエール病/発作性良性頭位性めまい症
易転倒
  原因と予測/予防
老年症候群
  定義/対応

5.高齢者の総合機能評価(CGA)(津田 敦、澄川耕二)

総合機能評価(CGA)の意義
CGAの構成成分と評価方法
  CGAの構成成分/CGAの評価方法
CGAガイドライン研究班推奨アセスメントセット
CGAの有用性
CGAの周術期における使用

II.術前評価・管理と予後予測

1.高齢者特有の術前問題(西山純一)

高齢者の術前診察
  高齢者手術の特徴と注意点/併存疾患と耐術能/
  高齢者の手術適応の基準/
  高齢者の術前検査とリスクマネジメント/
  老年症候群と服用薬物の把握
高齢者に対するインフォームドコンセント
  高齢者へのインフォームドコンセントの特殊性/
  後見制度とその限界
認知状態
  認知機能の障害とその対策/術前の認知機能と術後合併症
心理状態─高齢者の術前心理と医療者の対応
寝たきり

2.高齢者の術前検査とその評価(廣瀬宗孝)

臓器機能別評価と術後合併症
  神経機能/心機能/呼吸機能/腎機能/
  血液凝固能/栄養状態
高齢者の術前検査
  高齢者総合機能評価(CGA)に必要な術前検査項目/
  理学検査/臨床検査
術前検査結果の評価
  高齢者総合機能評価(CGA)/血液生化学検査/
  心血管系検査/呼吸器系検査

3.高齢者のリスク評価と手術予後

A高齢者特有のリスクと予後(植木正明)
加齢によるリスク
現病および既往症によるリスク
  心血管系リスク/呼吸器系リスク/腎リスク/
  内分泌系リスク/栄養系リスク/精神・神経系リスク
手術によるリスク
  緊急手術/手術術式
B全身麻酔と区域麻酔の予後比較(植木正明)
高齢者の周術期の罹病率と死亡率
区域麻酔と全身麻酔のリスク比較
  麻酔方法による予後の変化/年代により全身麻酔と区域麻酔との予後に差が生じた理由
C高齢者に多い術前合併症とその管理(植木正明)
認知症(認知障害)
骨粗鬆症
変形性骨関節症
慢性閉塞性肺疾患
パーキンソン病
抑うつ
栄養不良

III.麻酔管理

1.高齢者の臨床薬理学(坪川恒久)

加齢による生理学的変化が薬物動態・薬力学に与える影響
総論
  投与方法/分布容積/クリアランス/
  タンパク結合率/薬力学
各論
  吸入麻酔薬/静脈麻酔薬/オピオイド/
  筋弛緩薬と拮抗薬/局所麻酔薬/循環作動薬

2.高齢者の全身管理

A気道管理(原田秀樹、佐藤公則、牛島一男)
加齢に伴う上気道の変化
高齢者の嚥下機能と嚥下性肺炎
  嚥下障害、誤嚥と嚥下性肺炎/嚥下機能の加齢変化/
  高齢者の嚥下障害と誤嚥/常用内服薬と嚥下機能
睡眠中の嚥下と呼吸
高齢者の周術期誤嚥
術前診察時の簡便な嚥下機能評価
  問診/精神・身体機能の評価/
  口腔、咽頭、喉頭、頸部などの評価/嚥下機能の評価
上気道の加齢変化と睡眠呼吸障害
マスク換気と喉頭展開
B呼吸管理(新山修平、牛島一男)
術後肺合併症(PPCs)のリスク因子
  麻酔因子/手術因子/患者因子
術後肺合併症(PPCs)の回避を考慮した術中呼吸管理
  肺保護換気、オープンラングアプローチ、肺(肺胞)リクルートメント、リクルートメントマヌーバーとは?/
  術中の肺保護戦略の有用性は? また、術中の短時間の機械的人工呼吸管理で肺傷害が惹起されるのか?/術中の適正な1回換気量は?/
  術中の適正なプラトー圧は?/
  術中の適正な呼気終末陽圧(PEEP)とリクルートメントマヌーバー(RMs)の使用は?/術中の適正な吸入気酸素濃度は?/
  人工呼吸モード
C循環管理(土田英昭)
高齢者における循環器疾患の特徴
循環器疾患の変遷
  高血圧/虚血性心疾患/脳血管疾患
高齢者における循環機能の変化
  心臓/血管/循環血液量
高齢者における周術期の循環変動とその対処
  低血圧/高血圧/頻脈性不整脈/
  徐脈性不整脈/急性心不全
共存症(基礎疾患)に対する注意点
  高血圧/虚血性心疾患/脳梗塞/
  心房細動/弁疾患/心筋拡張機能低下
D体液・血糖管理(山本拓巳、飯田宏樹)
高齢者としての変化
  体液組成と腎機能/基礎疾患の存在/
  自律神経系の変化
絶飲食とインスリン抵抗性
  絶飲食ガイドライン/術後回復能力強化プログラム/
  インスリン抵抗性と術前炭水化物負荷の意義
周術期の栄養管理
  内因性エネルギー供給/ガイドラインの現状/
  血糖コントロール
輸液管理の実際
  グルコースの負荷/炎症性浮腫とサードスペース/
  晶質液と膠質液/目標指向型輸液療法と動的パラメータ
血液製剤の使用指針
  出血量と使用製剤/酸素供給量とヘモグロビン値/
  脳内酸素飽和度と術後認知機能障害
術後の急性腎障害(AKI)
  定義/予防および治療
E体温管理(熊澤昌彦、飯田宏樹)
正常時の体温調節
  体温調節機構/自律性体温調節
全身麻酔での体温調節
  閾値温度の変化/中枢温の変化
区域麻酔での体温調節
  閾値温度の変化/中枢温の変化
麻酔中の体温異常
  低体温の影響/高体温の影響
麻酔状態での体温管理
  モニタリング/体温低下の予防・治療
高齢者の特性
  体温調節の特性/麻酔中の特性/

3.高齢者各科手術の麻酔

A脳神経外科手術(林 浩伸、川口昌彦)
脳神経外科の麻酔管理の問題点
麻酔管理の基本
  呼吸の管理/循環の管理/全身麻酔薬/
  神経機能モニタリング/術後鎮痛
特殊疾患の麻酔
  高齢者の頸動脈内膜剥離術/
  高齢者の脳動脈瘤クリッピング術
B心臓血管外科手術(三田建一郎、小畑友里江、重見研司)
心血管麻酔に影響の大きい高齢者の生理機能の低下
  心血管系/呼吸器系/腎・泌尿器系/
  消化器系/神経系/筋骨格系/
  内分泌・代謝系
周術期管理の要点
  術前評価/術中管理/術後管理
各心臓大血管手術の麻酔の留意点
  冠動脈バイパス術(CABG)/弁膜症/
  そのほかの心臓手術/大動脈疾患
C呼吸器外科手術(長崎 剛、西川俊昭)
加齢による呼吸器系の生理学的変化
高齢者呼吸器外科手術の術前評価
  臨床症状、身体所見など/呼吸器系の評価/
  循環器系の評価
術中モニタリング
高齢者呼吸器外科手術の臨床麻酔
  全身麻酔導入/硬膜外麻酔
一側肺換気
  適用/肺分離の方法/
  分離肺換気における低酸素症
肺切除術の麻酔
  一般的事項/麻酔管理
縦隔腫瘍の麻酔
  巨大縦隔腫瘍/重症筋無力症
肺膿瘍手術の麻酔
  一般的事項/麻酔管理
肺容量減量手術の麻酔
  一般的事項/麻酔管理
D消化器外科手術(長崎 剛、西川俊昭)
高齢者消化器外科手術の術前評価
  神経系の術前評価/心血管系の術前評価/
  呼吸器系の術前評価/血液系の術前評価/
  消化器系の術前評価/肝機能の術前評価/
  腎機能の術前評価/糖尿病の術前評価
高齢者の麻酔薬理学
  吸入麻酔薬/静脈麻酔薬/筋弛緩薬/
  オピオイド
高齢者消化器外科手術の臨床麻酔
  絶飲食と前投薬/麻酔導入/麻酔維持/
  低体温に対する注意/硬膜外麻酔/
  脊髄くも膜下麻酔/そのほかの神経ブロック
腹腔鏡による手術の麻酔
  呼吸器系への影響/循環器系への影響/合併症
高齢者の胃手術
  一般的事項/麻酔管理
高齢者の食道手術
  食道がん手術/食道裂孔ヘルニア手術
腹部緊急手術
  一般的事項/麻酔管理
高齢者消化器外科手術の術中輸液管理
E整形外科手術(坂口嘉郎)
高齢者の特徴と整形外科手術の適用
周術期死亡・合併症
せん妄
深部静脈血栓症(DVT)、肺血栓塞栓症(PTE)
麻酔法
術後管理の目標と手段
周術期の総合的治療戦略の重要性
F泌尿器科手術(坂口嘉郎)
高齢者に多い泌尿器科疾患
  尿路感染症/前立腺肥大症/前立腺がん/
  膀胱および腎・尿路系の悪性腫瘍
年齢と手術リスク
せん妄
深部静脈血栓症(DVT)、肺血栓塞栓症(PTE)予防
前立腺肥大症の手術
  術式の種類/経尿道的前立腺切除術(TURP)/
  レーザーによる前立腺手術
前立腺がんの手術
ロボット支援根治的前立腺摘除術(RARP)の麻酔管理の問題点
  中枢神経系への影響/視機能障害/循環への影響/
  呼吸への影響

IV.術後管理と術後合併症

1.高齢者の術後管理の特徴(奥山克巳、松川 隆)

高齢者の術後管理の特徴
  老年症候群/高齢者と手術/術後管理の留意点/
  高齢者の生理学的変化/高齢者における薬物動態・薬力学/
  高齢者に多い術後合併症
高齢者の代謝や体組成の変化と栄養管理
術後疼痛管理における高齢者の特性
そのほか
  低体温/褥瘡予防

2.ICUにおける高齢者の鎮静(稲垣喜三)

高齢者の特徴
ICUにおける鎮静と鎮痛のガイドライン
鎮静レベルの評価
ICUにおける高齢者の鎮静の実際
  鎮痛薬とその効果/鎮静薬とその効果/
  鎮静と鎮痛の実際
せん妄
  せん妄の予防/せん妄の評価/せん妄の治療

3.術後痛の管理(野中崇広、山本達郎)

術後痛と合併症・予後との関連
  中枢神経系合併症と術後痛/循環器系合併症と術後痛/
  呼吸器系合併症と術後痛
高齢者の痛みの評価
術後痛の管理─総論
術後痛の管理─薬物の全身投与
  オピオイド/拮抗性鎮痛薬/
  オピオイド鎮痛薬の副作用/
  非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)/アセトアミノフェン
術後痛の管理─区域麻酔、局所麻酔
  硬膜外鎮痛/末梢神経ブロック

4.高齢者特有の術後合併症

Aせん妄(高橋 完、野坂修一)
疫学
発症頻度
診断
病態生理
発症要因
予防
  サポーティブケア/薬物によるせん妄の予防
治療
  背景因子の治療/せん妄の薬物治療
B神経系合併症(野手英明、祖父江和哉)
術後せん妄と術後認知機能障害(POCD)の違い
術後せん妄
  定義/診断/頻度/
  リスクファクターとスクリーニング/予防と治療/
  術後せん妄と長期予後
術後認知機能障害(POCD)
  頻度/機序/診断/長期予後
C循環器系合併症(丸山一男、張 尓泉、岩下義明)
発生頻度とリスクファクター
  非心臓手術/心臓手術
高齢者の循環器系異常の病態生理
  循環系の3要素と加齢による変化/
  神経系による循環調節能力の低下/
  心拍出量維持のために(高齢者の場合)
循環器合併症の診断・治療・予防
  心不全/術後心筋梗塞/不整脈
D呼吸器系合併症(小田真也、川前金幸)
呼吸機能に対する加齢の影響
術後呼吸器合併症(PPC)の定義と頻度
術後呼吸器合併症(PPC)の原因
術後呼吸器合併症(PPC)の危険因子
  高齢者における危険因子
高齢者の術後呼吸器合併症(PPC)予防における周術期管理
  術前管理/術中管理/術後管理
術後呼吸器合併症(PPC)の治療

V.周術期における口腔ケアとリハビリテーション

1.口腔ケア(趙 成三、前川拓治)

周術期における口腔ケアの意義
  周術期誤嚥性肺炎の予防/
  手術部位感染(SSI)のリスク軽減/
  気管挿管に伴う歯牙損傷予防/摂食機能の維持・向上
手法と評価
  患者へのインフォームドコンセント/アセスメント/
  口腔疾患の治療/器質的口腔ケア/
  機能的口腔ケア
実際の導入状況

2.周術期リハビリテーション(趙 成三、吉富 修)

周術期におけるリハビリテーションの意義
  高齢者における注意点/
  術後呼吸器合併症(PPC)予防としてのリハビリテーション/
  人工呼吸患者とリハビリテーション
手法と評価
  周術期リハビリテーションの評価/術前オリエンテーション/
  コンディショニング(理学療法)/
  全身持久力・筋力トレーニング(運動療法)
周術期リハビリテーションの現況─長崎大学病院の例

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