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苦痛を科学する
−ひとの苦しみを理解する話−

西野 卓 著

A5判・170頁
定価(本体3,200円+税)2016年
ISBN978-4-7719-0453-8

【書籍名】苦痛を科学する
【品番コード】00453
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苦痛とは何かから始まり、その歴史、認知、機序、臨床を概観し、緩和医療や安楽死にも触れる。
前作『呼吸を科学する』の姉妹本。

 本書はいわゆる教科書ではなく、苦痛をトータルペインとして捉える本というような気持ちで執筆した。また、苦痛にはいわゆる痛みだけではなく、呼吸困難や痒み、疲労といったものまで広く取り上げることにした。基礎的な話や話題も取り上げたが、臨床の苦痛と関連する方向を失わないように書いたつもりである。(『序文』より抜粋)

目次

プロローグ

苦痛とは

I.苦痛と拷問

1.拷問の歴史
2.日本における拷問
3.拷問の種類
4.特別な拷問器具と空想上の拷問
  A.鉄の処女
  B.親指締めつけ機
  C.頭蓋骨粉砕機
  D.苦悩の梨
  E.スペインの蜘蛛
  F.コウノトリ

II.苦痛に対する脳の反応

1.心と脳
2.苦痛と快感
3.苦痛の修飾

III.苦痛の認識

1.感覚の種類と分類
2.感覚系の特性
3.感覚系の神経回路

IV.苦痛発生の生理学的機序

1.痛みの発生
  A.痛みの受容器
  B.体性痛
  C.内臓痛
  D.末梢レベルでの痛みの調節
  E.中枢レベルでの痛みの調節
  F.心の痛み
2.呼吸困難の発生
  A.呼吸困難発生に関与する受容器
   1)迷走神経受容器 2)化学受容器 3)胸壁(筋・腱)受容器
   4)上気道受容器
  B.呼吸困難の発生機序と要因
   1)呼吸ドライブ亢進 2)呼吸抵抗負荷 3)呼吸筋筋力低下
   4)血液ガス悪化
  C.呼吸困難感の質
  D.呼吸困難の中枢機構
3.悪心と嘔吐
  A.悪心の受容器
  B.嘔吐の発生
  C.悪心・嘔吐に伴う苦痛
4.痒み
  A.痒みの発生機序
  B.痒みの苦痛
5.便意と尿意
  A.便意・尿意の発生と排便・排尿の機序
  B.排便・排尿障害に伴う苦痛
6.怠さ(全身倦怠感)
  A.セロトニン説
  B.アンモニア説
  C.サイトカイン説
7.眠気・不眠
  A.睡眠と覚醒
  B.レム睡眠とノンレム睡眠
8.空腹と渇き
  A.摂食行動の調節
  B.飲水行動の調節
9.腹部膨満感

V.苦痛の量的評価

1.量的評価
2.質的評価
3.多元的評価
4.苦痛負荷試験

VI.苦痛の臨床

1.痛み
  A.痛みの分類
   1)急性痛と慢性痛 2)発生部位別による分類 3)原因による分類
  B.痛みの診断
   1)問診 2)検査
  C.部位別疼痛疾患
   1)頭痛 2)顔面痛 3)頸部・肩部痛 4)胸部痛 5)腹部痛
   6)背部・腰部痛 7)下肢部痛 8)陰部・肛門部
   9)複合性局所疼痛症候群 10)その他(全身痛)
  D.痛みの治療
   1)神経ブロック療法 2)薬物療法 3)外科的療法
   4)放射線療法 5)理学療法 6)心理療法
2.呼吸困難
  A.呼吸困難の分類
  B.呼吸困難の検査と診断
   1)直接的評価法 2)間接的評価法
  C.呼吸困難を引き起こす疾患
  D.呼吸困難の治療
   1)酸素療法 2)薬物療法 3)運動療法 4)肺理学療法
   5)胸壁振動法 6)人工補助呼吸
3.悪心・嘔吐
  A.悪心・嘔吐の分類
   1)症状の現れ方による分類 2)重症度(グレード)による分類
   3)療法の違いによる副作用分類
  B.悪心・嘔吐の治療
   1)原因・病因の治療 2)薬物療法 3)悪心・嘔吐時のケア
4.全身倦怠感
  A.全身倦怠感の評価
   1)貧血 2)脱水・電解質異常 3)血糖値異常 4)感染症
   5)肝不全 6)抑うつ 7)不眠 8)薬物
  B.全身倦怠感の治療
   1)原因疾患および増悪因子に対する治療 2)薬物療法
   3)非薬物療法
5.痒み
  A.痒みを伴う疾患
   1)蕁麻疹 2)アトピー性皮膚炎 3)接触性皮膚炎
   4)脂漏性皮膚炎 5)多形滲出性紅斑 6)皮膚掻痒症 7)乾癬
   8)水虫・白癬症 9)疥癬
  B.痒みの治療
   1)皮膚保護と痒み対策 2)薬物療法
6.尿失禁
  A.尿失禁の分類
   1)真性尿失禁 2)仮性尿失禁
  B.尿失禁の検査
  C.尿失禁の治療
7.便失禁
  A.便失禁の分類
   1)腹圧性便失禁 2)切迫性便失禁 3)溢流性便失禁
   4)機能性便失禁
  B.便失禁の診断と検査
  C.便失禁の対策
8.パニック障害
9.心的外傷後ストレス障害
10.うつ病
11.苦痛軽減のための緩和医療
  A.緩和医療の定義と目標
  B.緩和医療の歴史
  C.緩和医療の今後
12.尊厳死と安楽死

エピローグ

コラム一覧

ブリタニカ百科事典について
グァンタナモ米軍基地
牢問と拷問
身体拘束と人権
架空の拷問道具
パブロフの条件反射
恐怖反応
情動記憶の遺伝
側坐核と嘘つきの関係
広範性侵害抑制調節とは
順応について
跳躍伝導の仕組み
視床の役割
肺伸展受容器について
末梢化学受容器の役割
先天性無痛症と先天性無痛無汗症
尿管カテーテルによる苦痛
慢性疲労症候群について
オレキシンの働き
睡眠欲と断眠実験
飲水行動と水中毒
ボルグスケールについて
イグ・ノーベル賞を受賞した痛み評価の研究
アロディニアとは
食道アカラシア
脊柱管狭窄の病態
シェーグレン症候群
慢性疼痛に対するオピオイド治療
6分間歩行試験とシャトル・ウォーキング試験
非侵襲的人工換気療法
広場恐怖症について
フラッシュバック
ソンダースとホスピス運動
三島事件
鎮静と安楽死の違い
オランダにおける安楽死の実態

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