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形成外科手術手技シリーズ ケロイドと肥厚性瘢痕の治療

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北海道大学名誉教授 大浦武彦 編著

B5判・224頁・本体価格13,000円・1994年
ISBN4-7719-0142-2

【書籍名】ケロイドと肥厚性瘢痕の治療
【品番コード】00142
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要旨

ケロイド・肥厚性瘢痕は有色人種に発生しやすく,これは日本人とても例外ではなく発生率は高い。したがって,皮膚に切開を入れなければならない外科系の 医師にとっては,手術後の肥厚性瘢痕やケロイドの発生は悩みの種である。とくに整容的な手術結果を重んじる形成外科医にとっては,これが発生すれば致命的 な結果となる怖れもある。そのうえ,最近は患者も手術後の傷跡を非常に気にして完全な治療を希望するので,何とかこのケロイドや肥厚性瘢痕の発生を抑制す るべく努力しなければならない。

ケロイドや肥厚性瘢痕についての記載は紀元前からあり,注目はされていたが,その本態は近年の最新の医学をもっても未だに不明である。そのため,ケロイ ドと肥厚性瘢痕の定義,分類,そして治療法も確立されていないのが現状である。とくに日本においては定義や分類が明確でなかったところに「瘢痕ケロイド」 という名称が一人歩きして,混乱の源となっている。すなわち,これがケロイドと肥厚性瘢痕との区別を曖昧にし,治療法の効果の判定にも影響を及ぼしていた ようである。臨床的にはケロイドや肥厚性瘢痕は掻痒が強く,時に拘縮があり醜く,またこれが非常に執拗であるので,患者にとっては耐えられない苦しみであ る。とくに小児の広範囲熱傷患者の創閉鎖後のケロイド・肥厚性瘢痕は夜も眠れないくらい大変なものであり,これらの治療法の確立が強く望まれていた。この ため,肥満細胞や線維芽細胞とコラーゲンの関係など,種々研究がなされていたが,はっきりとした因果関係が未だに不明である。

最近はサイトカインや線維芽細胞の分子遺伝子レベルでの研究がなされ,ケロイドの線維芽細胞の特殊性が認められたという論文が多くなり,この方面の研究もさかんになりつつある。これに加えて,抗アレルギー剤のリザベンRがケロイド・肥厚性瘢痕の治療に有効なことが判明し,ケロイド・肥厚性瘢痕への関心も急速に高まっている。

本書ではケロイドと肥厚性瘢痕に対する現況と治療法を知ることと,有効な治療方法の解決と手がかりに役立つことを目的として企画している。したがって, まずケロイドと肥厚性瘢痕の定義と分類を明確にし,その上でケロイドと肥厚性瘢痕の現況と治療法について,その道のエキスパートに豊富な経験と知識を披瀝 してもらったものである。

本書が第一線の一般外科医,形成外科医,皮膚科医にとって,座右の書として役立つことを願うとともに,ケロイドや肥厚性瘢痕に興味をもつ医師ならびに研究者にとって,新しい研究や治療方法のための手がかりとなれば幸いである。

1994年2月1日
大浦武彦
目次

I.歴 史…皆川 英彦/1

 

II.定 義…大浦 武彦/5

 

III.分 類…大浦 武彦・皆川 英彦/13

A.臨床症状/16
B.組織学的所見/23
C.治療/23

IV.病 因/27

§1.ケロイド患者の統計…大塚  壽・大谷 一馬/29
§2.全身的因子と局所的因子…大塚  壽・大谷 一馬/31
§3.年 齢…大塚  壽・大谷 一馬/37
§4.ホルモン…大塚  壽・大谷 一馬/37
§5.創傷治癒との関係…井上 邦雄/39

A.創傷の治癒/40
B.創傷治癒過程/42
C.細胞外マトリックスの合成とその役割/43
D.瘢痕拘縮の問題/46

V.病 理/53

§1.組 織…奈良  卓・小泉  良・白石 直人/55
§2.生化学…森口 隆彦/67

A.細胞成分/67
B.線維成分/68
C.基質成分/70

§3.免 疫…森口 隆彦/71

A.フィブロネクチン/71
B.テネイシン/72

§4.その他…森口 隆彦/72

A.活性酸素/72
B.肥厚性瘢痕,ケロイドにおける SOD/73

VI.治 療/75

1.保存的療法/77

A.内 服 薬/77
§1.抗アレルギー剤のケロイド予防作用機序…吉里 勝利/77

A.創収縮の in vitro モデルとしてのコラーゲンゲル培養/78
B.肥厚性瘢痕細胞の収縮力/80
C.コラーゲンゲル収縮の機序/81
D.線維芽細胞の収縮力に対する抗アレルギー剤の影響/83

§2.ケロイドと肥厚性瘢痕におけるリザベンR(トラニラスト)の臨床効果…難波 雄哉/86

A.リザベンR(トラニラスト)の物理,化学,製剤/86
B.薬理作用/87
C.投与量と用量/88
D.臨床効果/88
E.副作用/91
F.考察/91

B.肥厚性瘢痕,ケロイド治療用の外用剤,被覆材…沢田 幸正/96

A.外用剤,被覆材の種類/96
B.シリコンゲルについて/97
C.シリコンクリームについて/98
D.シリコンゲル・シリコンクリーム密封療法における肥厚性瘢痕に対する治療効果/98
E.シリコンゲル・シリコンクリーム密封療法によるケロイドに対する治療効果/99
F.シリコンゲル・シリコンクリーム密封療法の実際/99
G.シリコンゲル・シリコンクリーム密封療法の副作用/101
H.シリコンゲル・シリコンクリーム密封療法の作用機序について/102
I.局所の保湿が瘢痕に及ぼす影響/102
J.創の治癒と肥厚性瘢痕/103

C.ステロイド注射…塚田 貞夫/104

A.概念/104
B.史的展望/104
C.薬剤/105
D.治療成績/105

D.ステロイド軟膏外用療法…皆川 英彦/111

A.作用機序/112
B.吸収/113
C.適応/113
D.外用方法/113
E.効果/117
F.副作用/117

2.物理的療法…冨士森良輔/118

A.早期瘢痕に対する物理的療法(モデリング療法)の背景/118
B.早期瘢痕の経過/120
C.モデリング療法の適応/120
D.圧迫療法の実際/124
E.ケロイド,肥厚性瘢痕の発生を防止するための物理的療法/126

3.外科的療法/132

A.拘縮のないもの…小山 久夫/132

A.ケロイド/132
B.肥厚性瘢痕/133

B.拘縮のあるもの…光嶋  勲/141

A.拘縮のあるケロイドに対する外科手術/141
B.拘縮のある肥厚性瘢痕に対する外科手術/141
C.後療法/151

C.熱 傷…安田 幸雄・塚田 貞夫/153

A.熱傷による肥厚性瘢痕の発生/153
B.熱傷による肥厚性瘢痕の手術的予防/154
C.熱傷による肥厚性瘢痕の手術的治療/159

D.整容的手術…礒  良輔・鈴木 邦夫/161

A.治療法/162
B.症例/167

4.放射線療法…大浦武彦・杉原平樹・吉田哲憲・鎌田 正・渡辺良春・山口 恵/170

A.放射線質と照射方法/170
B.対象および評価方法/171
C.結果/173
D.症例/174
E.考察/178

5.ケロイドの凍結外科療法―(付)他の集学的治療法―…伊藤  仁/183

A.ケロイドおよび肥厚性瘢痕の私の考え方/183
B.凍結外科療法後の遠隔症例との出会い/185
C.凍結外科療法の方法/187
D.症例/188
E.考案/192(付)他のケロイドの集学的治療法(自験症例供覧)/199

索  引…209

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