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眼瞼・義眼床の再建 ―臨床例アトラス―

小川 豊 著

B5判・125頁
定価16,800円(本体16,000円+税5%)2006年
ISBN4-7719-0306-9

【書籍名】眼瞼・義眼床の再建
【品番コード】00306
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はじめに

眼は2つの機能を有している。視力と魅力である。

眼は視力ということで非常に大切な器官である。日常生活の多くは視力喪失によって大きく損なわれ、制限される。走ることもボールを受けることも機械を操 作することも目の不自由な人々にとってはとてもつらいことである。しかし努力と慣れで視力の不自由さは何ごともないように克服されるものである。

一方、目の形態の美しさは何にも増して魅力である。その静かな雄弁はその人の生活を変え、運命を変え、人との歴史をも変えたであろうと思われる。

私が眼瞼の再建と義眼床の再建に心を向かせ始めたのは眼の魅力という機能再建に魅力を感じたからである。

1987年関西医科大学に形成外科が設立された時、そこで仕事をするようになったのは幸運であった。大学の救命救急センターには関西では数少ない眼科医が常勤し、広いエリアから眼の外傷が集まって来た。

眼瞼の外傷、熱傷、眼球破裂などの治療が眼科から形成にバトンタッチされ、眼瞼の形態、開閉瞼機能の回復、義眼床再建に精力的に取り組むことができはじめたのである。

眼形成外科という分野に専門的に取り組む形成外科医や眼科医は少なく、眼科医を中心とした眼窩疾患シンポジウムという研究会が当時から続いているが、形 成外科医を中心とした義眼床手術研究会を立ち上げようと考え、1990年に第1回の研究会を大阪で開催した。その研究会にはすぐれた眼科医が多数参加し、 義眼床再建を中心に形成外科医と眼科医が心おきなく自由に討論をかわすことができた。その後義眼床関連だけでなく、眼瞼眼窩のいろいろの疾患、手術法がと りあげられてくるようになり、2006年2月11日に第17回を神戸で開催し、義眼床という名称では門戸が狭いことから次回の第18回より眼瞼・義眼床手 術研究会と名称を変更することになった。

眼瞼をあるべき形態に再建することは難しいことである。義眼床を理想的に再建して自然な外観に見えるようにすることはしばしばとても難しいことである。 しかしより自然な外観に近づけるために、ことこまかな分析を行い、それに基づいて再建することは非常にすばらしいことである。患者さんが義眼の上の眼帯を 取り除く日のために私達は再建手術を推し進めている。

ここに掲載する症例はそれに向かって精力を傾けた19年間の私の眼瞼・義眼床再建の総括である。

目次

総論

1.眼瞼・眼窩の解剖

A.眼瞼の解剖
B.眼窩の解剖

2.疾患の特徴
3.治療目標

A.眼瞼再建
B.義眼床再建

4.手術手技

A.眼瞼再建
B.義眼床再建

第1章 眼瞼再建

I.上眼瞼の再建

1.外傷・瘢痕・熱傷

A.一次縫合
B.Z形成
C.YV形成
D.遊離植皮
E.Lateral orbital flap
F.Median forehead flap
G.Supra eyebrow flap

2.腫瘍・母斑 ― 前葉再建

A.摘出
B.幅1/4以下の欠損
C.1/4〜1/2の欠損
D.1/2以上〜全欠損

3.腫瘍・母斑―全層欠損

A.幅1/4以下の欠損
B.1/4以上の欠損

II.下眼瞼の再建

[前葉再建]
1.外傷

A.一次縫合
B.瘢痕・瘢痕拘縮

2.外反・兎眼

A.Z形成
B.VY形成
C.軟骨移植

3.腫瘍・母斑

A.縫縮
B.眼角皮弁(Angular flap)
C.外側眼窩皮弁(Lateral orbital flap)
D.頬部回転前進皮弁(Rotation advancement cheek flap)
E.頬部皮下茎皮弁(Subcutaneous pedicle cheek flap)

[後葉再建]

III.毛再建

1.眉毛再建
A.単一毛植毛
B.皮膚柱植毛
C.含硬毛遊離植皮
D.動脈弁植毛
E.有茎弁植毛
2.睫毛再建

第2章 義眼症再建

1.概説

A.無眼球症の分類
B.義眼

1)義眼の種類
2)可動性義眼
3)エピテーゼ
2.眼球癆(Phthisis)

A.眼球癆の特徴
B.結膜嚢の特徴

3.眼球内容除去(Evisceration)

A.眼球内容除去の特徴
B.結膜嚢の特徴
C.手術手技

4.眼球摘出

A.眼球摘出後の特徴
B.結膜嚢の特徴
C.義眼床再建の目標と対策
D.手術手技

1)眼窩内容積の増量
2)義眼床皮膚(粘膜)の再建
5.眼窩内容除去―不完全眼窩内容除去

A.不完全眼窩内容除去の特徴
B.結膜嚢の特徴
C.義眼床再建の目標と対策
D.手術手技

1)眼窩内容積の増量
2)眼瞼後葉再建
3)円蓋再建
4)眼窩下壁の梁構造の再建
6.眼窩内容除去―完全眼窩内容除去

A.完全眼窩内容除去の特徴
B.義眼床再建目標と対策
C.手術手技

1)眼瞼再建
2)義眼床の再建
3)瞼裂形態の確保
4)瞼裂の大きさの確保
5)瞼裂の位置
6)color matchとtexture match
7)睫毛再建
7.先天性無眼球症と小眼球症

A.先天性無眼球症(anophthalmos)
B.小眼球症(microphthalmos)
C.眼窩の発育

COLUMN
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