ADVANCE SERIES II-8 Facial Rejuvenation:最近の進歩
I.皮膚の老化 |
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1.皮膚の光老化 | 船坂陽子 | |
2.老化に伴う皮膚病変 | 川久保洋 | |
II.Chemical peeling |
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3.Chemical peeling概論 | 山下理絵 | |
4.フルーツ酸,グリコール酸など | 白壁征夫 | |
5.サリチル酸 | 戸佐眞弓 | |
6.トリクロル酢酸(TCA) | 松倉知之 | |
7.レチノール酸 | 吉村浩太郎 | |
8.プライミングとイオントフォレーシス | 鈴木晴恵 | |
III.スキンケア |
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9.ハイドロキノン,コウジ酸など | 宮坂宗男 | |
10.スキンケア化粧品 | 大西重樹 | |
11.サンスクリーン | 黒田能子 | |
IV.Laser resurfacing |
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12.Laser resurfacing概論 | 久保田潤一郎 | |
13.ウルトラパルスCO2レーザー | 出口正巳 | |
14.Er : YAGレーザー | 新橋 武 | |
15.老化に伴う色素性病変のレーザー治療 | 宮坂宗男 | |
16.老化に伴う血管性病変のレーザー治療 | 佐々木克己 | |
17.Non-ablative laser resurfacing | 衣笠哲雄 | |
V.その他の方法 |
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18.Microdermabrasion | 久保田賢子 | |
19.コラーゲン注入術 | 古山登隆 | |
20.脂肪注入術 | 市田正成 | |
21.テフロン埋入術 | 西村正樹 |
近年,フルーツ酸,サリチル酸,トリクロル酢酸,レチノール酸などの再評価により,ケミカルピーリングは爆発的な普及を果たしている。本書では,ハイドロキノンやコウジ酸などの美白剤や保湿剤,サンスクリーンを用いたスキンケアについても言及した。
一方では,血管腫や母斑など皮膚の先天性色素異常症の治療を目的として発展したレーザーが,“しみ”や“しわ”といった皮膚の老人性変化の治療,いわ ゆるlaser resurfacingに適用され,facial rejuvenationのツールのひとつとして見直しが行われた。これ以外にも酸化アルミナの細粒を用いたマイクロピーリング,コラーゲンやヒアルロン 酸の注入法,脂肪注入法,テフロン埋入術,ボツリヌストキシンの局注など,facial rejuvenationのツールは日進月歩で枚挙にいとまがない。しかし一方,われわれ東洋人の皮膚は瘢痕形成や色素沈着を来しやすいなど,白色人種に 比べより慎重なskin resurfacingが要求され,副作用,限界といったことも議論され始めている。
このように,われわれはfacial rejuvenationに対して多くのツールを得てきたがこれらの手法はいずれも両刃の刃で,その適応には極めて慎重でなくてはならない。多くの選択肢 がある中からどの治療法を選択するかについては,当然インフォームドコンセントの問題も絡むので,われわれ自身がこれらのツールを正しく評価し,それぞれ の適応と限界についての正しい情報を提供した上で,患者と一緒に治療方針を決定することが大切である。
これらの手技には,施術にあたっての微妙なコツが治療結果を大きく左右するものが多く含まれており,本書においては各分野で最も経験の深い先生方にそ の秘訣も含めご執筆をお願いした。facial rejuvenationの日常診療にお役に立てれば幸甚である。(編者序文より抜粋)