入門・呼吸療法 改訂第2版

入門・呼吸療法 改訂第2版

監修 沼田克雄
編集 大村昭人,安本和正
ISBN ISBN4-7719-0271-2
発行年 2004年
判型 B5
ページ数 224ページ
本体価格 3,800円(税抜き)
電子版 なし


本書第一版を刊行してから早くも10年が過ぎた。この歳月の間にも呼吸療法の発展は滞ることなく、おびただしい知見の集 積のみならずその普及の度には目を見張るものがある。たとえば在宅医療や訪問看護のシステムの拡充において、呼吸療法の重要性はますます広く認識されてき ている。また日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会の3学会による呼吸療法認定士の認定制度も、発足してから8年を経て認定希望者の数は年々 増加の一途を辿り、認定士数は一万余名を超えるまでになった。

本書の初版本は良き執筆者を得て、10年を経た現在もその価値を失っていないものと信じている。しかし、上記の現状を踏まえてなお一層の充実を望む声も 強く、今回面目一新、改訂の運びとした。入門書としての本書の目的を踏襲しつつ、さらに経験豊かな多くの先生方に執筆を願って内容を充実させ、広く江湖に 問うことにした次第である。ご多忙の中を執筆してくださった諸先生に厚く御礼申し上げ、また刊行に多くの努力を惜しまなかった克誠堂出版社の今井良社長、 栖原イズミ氏に衷心より感謝する。

2004年3月
沼田克雄

1 呼吸療法とは何か 沼田克雄…1

 

2 呼吸療法の基礎知識 沼田克雄…2

  1. 呼吸器系の構造と生理/2
  2. 血液の酸素化と酸素の輸送/15

3 呼吸不全の病態生理 大村昭人…33

  • はじめに/33
  1. 呼吸不全の定義/33
  2. 呼吸不全の病態生理と血液ガスの異常/34
  3. PaO2が低下する機序/36
  4. 血液ガスの異常と酸塩基平衡/43
  5. PaCO2の変化と酸塩基平衡異常/44
  6. 呼吸不全と代謝性の異常/46
  7. 呼吸不全の徴候/47
  8. 呼吸不全の診断:状態の把握と治療方針の決定/48
  9. 代表的な呼吸不全/51

4 呼吸療法…55

4-1 薬物療法 齊藤 修・赤柴恒人 55

  1. 気管支拡張薬/55
  2. 去痰薬/59
  3. 鎮咳薬/60
  4. 抗菌薬/61
  5. ステロイド薬/64

4-2 酸素療法 河野昌史 67

  1. 酸素についての基礎知識/67
  2. 低酸素症とは/67
  3. 低酸素症の原因/68
  4. 術後低酸素血症について/69
  5. 酸素療法の目的/69
  6. 酸素療法の適応/69
  7. 治療目標の評価/70
  8. 酸素の供給源/70
  9. 酸素投与装置/71
  10. 酸素投与の実際/74
  11. 酸素療法の合併症/75

4-3 加 湿 福山達也・宮尾秀樹 76

  1. 呼吸療法における加湿の必要性/76
  2. 湿度の定義/77
  3. 正常呼吸中の気道内湿度/77
  4. 加湿器/78

4-4 気道確保 野口隆之・松本重清 86

    1. 気道確保とは/86
    2. 上気道用手確保:トリプルマニューバ/86
    3. 人工気道の適応/87
    4. 人工気道の種類/87
    5. 経喉頭気管挿管/88
    6. 非経喉頭気道確保/9

3

  1. 人工気道の管理上の合併症予防/94
  2. 人工気道の抜去/95

4-5 人工呼吸 安本和正 97

  1. 人工呼吸とは/97
  2. 人工呼吸器とは/110
  3. 人工呼吸管理法/113

4-6 機器の管理とトラブルシューティング・・・・・・廣瀬 稔 116

  1. 保守管理の必要性/116
  2. 保守管理の体制/116
  3. 人工呼吸器使用中に起こり得る危険性/116
  4. 保守点検方法/117
  5. トラブルシューティング/124

4-7 呼吸理学療法 千住秀明 126

  1. 呼吸リハビリテーション/126
  2. 呼吸理学療法/126
  3. 運動療法/127
  4. コンディショニングのための呼吸理学療法手技/131

5 感染の防止 相馬一亥…137

  • はじめに/137
  1. 予防対策/137
  • おわりに/147

6 呼吸療法のためのモニター 謝 宗安…148

  1. 呼吸系モニター/148
  2. 循環系モニター/158
  3. 体温モニター/162

7 各病態における呼吸管理のポイント…164

7-1 ARDS 横田喜美夫・左利厚生 164

  • はじめに/164
  1. ARDSとは/164
  2. 肺保護戦略に基づいた人工呼吸器の設定とは/165
  3. なぜARDS患者では1回換気量を標準体重に基づいて 6~8ml/kgに制限しなければならないのか/165
  4. なぜARDS患者では8~4cmH2Oという比較的高いPEEPを 付加しなければならないのか/166
  5. ARDS患者のbest pHaはいくらか/168
  6. 実際にARDS患者で調節換気をどのように始めるか/168
  7. なぜARDS患者に非脱分極性筋弛緩薬や大量のステロイド薬を 安易に投与してはいけないのか/171
  8. 人工呼吸の中止とは/171
  • おわりに/172

7-2 COPD 一和多俊男・長尾光修 174

  • はじめに/174
  1. 安定期COPDの管理/174
  2. 増悪期COPDの管理/178

7-3 気管支喘息 崎尾秀彰 183

  • はじめに/183
  1. 重症喘息発作/183
  2. 薬物療法/185
  3. 人工呼吸管理/186
  • おわりに/189

7-4 神経筋疾患 盛 直久 190

  1. 換気のメカニズム/190
  2. 神経筋疾患/190
  3. 神経筋疾患の呼吸障害/193
  4. 呼吸管理/193
  5. 呼吸管理における注意点/194
  6. ウィーニング/196
  7. 在宅人工呼吸療法/196

7-5 新生児・乳幼児・小児の呼吸管理のポイント 田村正徳 198

  1. 新生児・乳幼児・小児の解剖学的・呼吸生理学的特徴/198
  2. 乳幼児の呼吸障害の徴候/198
  3. 新生児期に呼吸不全を来す疾患の分類と診断/199
  4. 新生児・小児の呼吸管理のポイント/200
  5. 新生児・乳幼児での人工呼吸管理の実際/201
  6. 特殊な呼吸管理法/204