麻酔器
麻酔器は常に麻酔科医の横にあり,麻酔中の患者の安全を守るとともに,手術に必要な麻酔深度を維持するために存在する。 (はじめに より抜粋)
・麻酔科医として知っておく必要のある、麻酔器の<歴史><基本構成><関連する規格や法律><日本麻酔科学会が提唱する始業点検>などをそれぞれの専門家が詳細に解説。どのような麻酔器でも問題なく取り扱えることを主眼にしてあります。
・各麻酔科医が接する機種についての知識と理解を深めるため、現在使用している各メーカーの代表的な機種について(基本的にメーカーの担当者が)特徴などを中心に解説。
I.麻酔器の歴史(玉井 久義)
吸入麻酔薬の黎明期:エーテルとクロロホルム
揮発性麻酔薬の濃度調節
亜酸化窒素と酸素の併用
正確な流量制御法
二酸化炭素吸着装置:再呼吸回路,そして閉鎖回路へ
II.麻酔器の基本構成
1.麻酔器回路(釘宮 豊城)
医療ガス連結部分
1 医療ガス配管設備との連結/2 高圧ガス容器との連結
圧力計
圧力調整器
逆止弁
ガス遮断装置
酸素供給圧低下警報
流量調節器
1 流量調節部分/2 流量計部分
低酸素防止装置
酸素フラッシュ
ガス共通流出口
回路の配管の性能
電子的対応
2.気化器(宮尾 秀樹)
歴史
物理
1 吸入麻酔薬の物理/2 気化器の物理
構造と作動原理
1 流量効果/2 環境温の影響/3 間欠的逆圧/4 キャリアーガスの組成
5 気圧変化/6 薬物使用量の計算
種類
危険因子と安全機構
1 危険因子/2 安全機構
麻酔器の始業点検(気化器)と解説
気化器の国際規格の抜粋
3.麻酔呼吸回路(井上 哲夫)
一般的な循環回路(circle absorber system)の構成
1 二酸化炭素吸収装置(carbon dioxide absorber assembly)/
2 吸気弁および呼気弁(inspiratory and expiratory valves)/
3 呼吸管(breathing tube)/
4 呼吸嚢(バッグ)(breathing bagあるいはreservoir bag)/
5 APL弁(adjustable pressure limiting valve)/
6 余剰ガス排出装置(anesthetic gas scavenging system:AGSS)/
7 各部の配列/
8 使用前の回路のテスト方法/
9 そのほかの回路内に組み込まれる器具類
そのほかの麻酔呼吸回路
1 種類と分類法/2 メイプルソン(Mapleson)回路および修飾形
4.麻酔用人工呼吸器(安本 和正)
駆動と回路
1 ベローズ駆動方式/2 ピストン駆動方式/
3 ベローズ方式とピストン方式との比較
麻酔器用人工呼吸器における各種弁機能
1 吸気時の呼気弁閉鎖/2 新鮮ガス流入の問題
換気量の是正
1 弁機能以外による是正/2 コンプレッションボリュームの補正
高頻度換気
1 高頻度ジェット換気/2 適応/3 問題点/4 不適切な症例
5.余剰麻酔ガス排出装置(西村 欣也,釘宮 豊城)
装置
1 ガス収集装置/2 移送装置/3 排除インターフェイス/
4 ガス排出ホース/5 ガス排出処理装置
余剰ガス処理における有害事象,問題点
1 新たな障害発生への対処/2 吸入麻酔薬における温室効果/
3 余剰麻酔ガスの無毒化
III.医療ガス配管設備と医療ガスホースアセンブリ(伊藤 弘通)
医療ガス配管設備 79
1 供給装置/2 配管/3 配管端末器(アウトレット)
医療ガスホースアセンブリ
IV.麻酔器および周辺の規格,法律(大村 昭人,井上 政昭)
日本工業規格(JIS)
1 JIS T 7201-1:1999吸入麻酔システム―第1部:麻酔器(本体)/
2 JIS T 7201-2-1:1999吸入麻酔システム―
第2-1部:麻酔用および呼吸用機器-円錐コネクタ-円錐およびソケット/
3 JIS T 7201-2-2:1999吸入麻酔システム―
第2-2部:麻酔用および呼吸用機器-円錐コネクタ-ねじ式耐重量コネクタ/
4 JIS T 7201-3:1999吸入麻酔システム―第3部:麻酔用呼吸バッグ/
5 JIS T 7201-4:1999吸入麻酔システム―
第4部:麻酔器用および人工呼吸器用の呼吸管/
6 JIS T 7201-5:1999吸入麻酔システム―第5部:麻酔用循環式呼吸回路/
7 JIS T 7203:1989医療用酸素濃度計/
8 JIS T 7204:1989医療用人工呼吸器/
9 JIS T 7207:2005医用加湿器-加湿システムの一般的要求事項/
10 JIS T 7231-1:1998喉頭鏡接合部―
第1部:従来型のフックオン式ハンドル・ブレード間接合部/
11 JIS T 7231-2:1998喉頭鏡接合部―
第2部:従来型のブレード用電球のねじおよびソケット/
12 JIS T 7101:2006医療ガス配管設備/
13 JIS T 7111:1993医療ガスアセンブリ
高圧ガス保安法
国際標準化機構(ISO)
V.麻酔器の始業点検(津崎 晃一)
麻酔器の構造と点検ガイドライン
麻酔器の始業点検
1 補助ボンベ内容量および流量計/
2 補助ボンベによる酸素供給圧低下時の亜酸化窒素遮断機構およびアラームの点検/
3 医療ガス配管設備(中央配管)によるガス供給/
4 気化器/5 酸素濃度計/6 二酸化炭素吸収装置/
7 患者呼吸回路の組み立て/
8 患者呼吸回路,麻酔器内配管のリークテストおよび酸素フラッシュ機能/
9 患者呼吸回路のガス流/10 人工呼吸器とアラーム/
11 麻酔ガス排除装置/12 完
改正医療法と始業点検
VI.麻酔器各論
1.泉工医科工業(株)(塚越 昌一
構造-1:全体外観
構造-2:コントロール部
基本性能と特徴
安全機構
特殊な対応
1 メラ全身麻酔器MD-757XLV/2 吸入麻酔システムCanopus F3
メンテナンスおよび間隔
パニック時の対応
ユーザーレポート(瀬尾 憲正)
2.アコマ医科工業(株)(早川 愃)
アコマアネスピレータ R KMA-1300V
1 構造/2 基本性能と特徴/3 安全機構/
4 メンテナンスおよび間隔/5 パニック時対応
ユーザーレポート(門井 雄司)
3.(株)ムラコメディカル(村田 治)
ドルフ-500 R
1 構造/2 基本性能と特徴
MA-300 R
1 構造と基本性能
MA-110 R
1 構造と基本性能
ウッディ R,ウッディRL R
1 構造/2 基本性能と特徴
4.エア・ウォーター防災(株)アネス事業部(山口 宣明)
構造
1 UM700麻酔器と気体回路/2 PVA120人工呼吸器と気体回路/
3 気化器と気体回路
基本性能と特徴
1 UM700(麻酔器)/2 PVA120(麻酔器用人工呼吸器)/
3 TCVシリーズ(気化器)
安全機構
1 UM700(麻酔器)/2 PVA120(麻酔器用人工呼吸器)/
3 TCVシリーズ(気化器)
特殊な対応(パニック時の対応)
メンテナンス期間
5.ドレーゲル・メディカルジャパン(株)(佐藤 謙)
構造
基本性能と特徴
1 流量計/2 人工呼吸器/3 呼吸回路/
4 気化器/5 余剰ガス排出装置
安全機構
1 セルフチェック/2 低濃度酸素防止機構(S-ORC)/
3 酸素供給圧警報装置/4 バッテリー/
5 ルームエアーによる換気
メンテナンス
パニック時対応
ユーザーレポート(村山 隆紀)
6.GE横河メディカルシステム(株)(釘宮 豊城)
エスティバ7900
エイシス,アバンスケアステーション
1 構造/2 基本性能と特徴/3 安全機構/
4 麻酔器用人工呼吸器/5 メンテナンスおよび間隔/
6 パニック時対応
7.アイ・エム・アイ(株)(木本 進)
構造
基本性能と特徴
安全機構
特殊な対応
メンテナンス
ユーザーレポート(尾崎 眞)