緊急産科手術の麻酔に備える
『基本的な知識はあっても、いざ麻酔緊急となると術前評価や麻酔計画に十分時間をかけられず慌てて麻酔を始める必要性に迫られたり、患者把握ができないまま全身麻酔を始めなければならない』といった経験はありませんか？
産科救急疾患、経腟分娩予定だったが帝王切開術をせざるをえなくなった症例、産科手術中に急変した症例などの症例提示を行い、その産科的疾患解説、手術適応、術式、病態の違いによる緊急度の違いなどの知識を再度確認しながら、周術期に予想されるトラブルと対応の整理、術前評価のポイント、麻酔計画、周術期の麻酔上の注意点などを、麻酔科、産科、関連各科から解説しました。
第I章 総論
1．胎児状況からみた緊急帝王切開術の適応と緊急度 （天野 完）
2．麻酔前評価 （日向俊輔）
3．麻酔法
1)全身麻酔 （細川幸希）
2)脊髄くも膜下麻酔、脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔 （津留世里）
3)無痛分娩から帝王切開へ （奥富俊之）
4．術後鎮痛 （細川幸希）
第II章 症例提示
1．常位胎盤早期剥離 （望月純子、加藤里絵）
2．妊娠高血圧症候群・妊娠高血圧腎症・子癇 （河野照子、日向俊輔、加藤里絵）
3．HELLP症候群 （奥富俊之）
4．前置胎盤 （大西庸子、津留世里、加藤里絵）
5．癒着胎盤 （大西庸子、ウッドハムス玲子、加藤里絵）
6．前置血管 （金井雄二、奥富俊之）
7．骨盤位の陣痛発来 （松澤晃代、奥富俊之）
8．帝王切開術既往妊婦の陣痛発来 （金井雄二、奥富俊之）
9．困難気道と肥満 （細川幸希）
10．胎児心拍数低下 （石川隆三、奥富俊之）
11．急性腹症 （服部響子、中村隆俊、ウッドハウス玲子、奥富俊之）
12．脳出血 （望月純子、佐藤公俊、隈部俊宏、加藤里絵）
13．羊水塞栓症 （加藤里絵）
14．弛緩出血 （島岡享生、ウッドハムス玲子、日向俊輔、加藤里絵、奥富俊之）
15．子宮内反症 （服部響子、加藤里絵）
16．子宮内容除去術 （奥富俊之、加藤里絵）
17．頸管縫縮術 （田島綾子、奥富俊之）
18．外回転術 （河野照子、奥富俊之）