瘢痕・ケロイドはここまで治せる
Less-scar Wound Hearing のための形成外科

瘢痕・ケロイドはここまで治せる

編集 小川 令
著者 小川 令
ISBN 978-4-7719-0436-1
発行年 2015年
判型 B5
ページ数 230ページ
本体価格 14,000円(税抜き)
電子版 あり
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瘢痕(傷あと)をいかに目立たなくするか!
世界中の学会や学術誌でも,「Scar」がキーワードとなり,熱い議論がかわされ始めています。世界は「傷を治す」時代から,「傷あとを残さない」時代に突入していると言っても過言ではありません。
本書の刊行にあたり,日本の形成外科の叡智を結集して瘢痕に立ち向かうために,この分野のエキスパートの先生方に執筆をお願いいたしました。瘢痕形成のメカニズムを基礎から理解でき,かつ臨床にすぐに役立てる本となったと自負しております。 (『はじめに』より抜粋)

基礎編
1.胎仔創傷治癒とScarless Wound Healing(貴志和生)
1 瘢痕や傷あとをどのように認識しているのか
2 胎仔の創傷治癒の研究とは
3 胎仔の創傷治癒と一般的な成獣の創傷治癒との違い
4 胎仔の皮膚が再生能を有している理由

2.動物とヒトにおける瘢痕形成の違いと動物瘢痕モデル(松村 一)
1 ヒトと動物の瘢痕形成の違い
2 ヒトと動物の皮膚構造の違い
3 瘢痕研究の手法と動物モデル
4 動物モデルの限界と可能性

3.瘢痕のメカノバイオロジーとメカノセラピー(小川 令・赤石諭史)
1 メカノバイオロジー
2 メカノセンサー,メカノレセプター
3 メカノシグナル伝達経路
4 メカノセラピー
5 瘢痕予防・治療のためのメカノセラピー

4.皮膚創傷における細胞外マトリックスのさまざまな機能(荒牧典子)
1 瘢痕における細胞外マトリックス
2 創傷治癒過程における細胞外マトリックスのさまざまな機能

5.瘢痕形成と弾性線維の役割(内藤素子)
1 弾性線維の基礎
2 瘢痕と弾性線維

6.ケロイド・肥厚性瘢痕のメカニズム総論(小川 令・赤石諭史)
1 創傷治癒過程における瘢痕形成
2 ケロイド・肥厚性瘢痕の局所因子
3 ケロイド・肥厚性瘢痕の全身的因子(体質)
4 ケロイド・肥厚性瘢痕の人種差・動物種差
5 ケロイド・肥厚性瘢痕の病理組織学的所見

7.ケロイド・肥厚性瘢痕のエネルギー代謝(上田晃一・黒川憲史)
1 ケロイド・肥厚性瘢痕のATP値

8.炎症性疾患としてのケロイド・肥厚性瘢痕─CD4陽性T細胞などの炎症細胞が病態に及ぼす役割─(村尾尚規)
1 慢性炎症と線維化のメカニズム
2 CD4陽性T細胞と免疫バランス,線維化
3 炎症性疾患としてのケロイド・肥厚性瘢痕

9.線維増殖性疾患としてのケロイド・肥厚性瘢痕(須永 中)
1 創傷治癒と線維化について
2 線維増殖性疾患としてのケロイド・肥厚性瘢痕の特徴
3 線維化の機序についての知見
4 治療の展望

10.ケロイド発症におけるfibrocyteの関与の可能性(長尾宗朝・小林誠一郎)
1 Fibrocyte とは
2 Fibrocyte の機能
3 ケロイドとfibrocyte の関連性について
4 Fibrocyte を標的とする治療の可能性

11.ケロイド治療の標的としてのIL-6シグナルとWntシグナル(土佐眞美子)
1 ケロイド電子線治療による遺伝子変化
2 ケロイドとIL-6シグナル
3 ケロイドとWntシグナル

実践編
12.種々の瘢痕評価スケールの特徴と比較(秋田定伯)
1 概説:瘢痕評価スケール
2 瘢痕評価スケールの検証
3 熱傷瘢痕評価スケールの信頼性の検討
4 線状瘢痕評価スケールの信頼性の検討
5 客観的評価のための評価ツール
6 日本からの瘢痕分類評価表の発信

13.瘢痕・ケロイドの診断(岡部圭介)
1 概念
2 JSW Scar Scale 2011を使用したケロイド・肥厚性瘢痕の診断
3 ケロイド・瘢痕診断の今後
4 読者に伝えたいこと・関連事項

14.種々の瘢痕に対する切除および縫合法(小川 令・赤石諭史)
1 概念
2 施術手技の概念
3 施術手技の実際
4 術後管理
5 読者に伝えたいこと

15.瘢痕に対する植皮術─リストカット瘢痕に対する植皮による治療─(林 瑠加・貴志和生)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技・術後管理・経過観察
4 読者に伝えたいこと

16.瘢痕・ケロイドに対する皮弁手術(渡邊英孝)
1 概念
2 適応
3 施術手技・術後管理
4 代表症例
5 読者に伝えたいこと・関連事項

17.熱傷瘢痕・瘢痕拘縮に対する予防・手術法(百束比古)
1 概念:熱傷瘢痕の手術について
2 施術手技
3 読者に伝えたいこと

18.ケロイドに対する術後放射線治療(小川 令)
1 概念
2 治療の実際

19.ケロイドに対する高線量率組織内照射療法(吉龍澄子・古妻理之)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 術後管理・経過観察
5 代表症例
6 補足

20.ケロイド・肥厚性瘢痕に対するステロイド治療(清水史明)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 術後管理・経過観察
5 代表症例
6 読者に伝えたいこと・関連事項

21.瘢痕・ケロイド治療における圧迫・固定療法 (冨士森英之)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 術後管理・経過観察
5 代表症例
6 読者に伝えたいこと

22.シリコーン材を用いた瘢痕治療(土佐泰祥)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 術後管理・経過観察
5 代表症例
6 読者に伝えたいこと・関連事項

23.ケロイド・肥厚性瘢痕に対するNd:YAGレーザー治療(赤石諭史・小川 令・百束比古)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 代表症例
5 読者に伝えたいこと・関連事項

24.瘢痕・ケロイドに対するパルス色素レーザー治療(大城貴史・大城俊夫)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 術後管理・経過観察
5 代表症例
6 読者に伝えたいこと・関連事項

25.成熟瘢痕に対するフラクショナルレーザー治療(河野太郎)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 術後管理
5 代表症例
6 合併症回避のコツ
7 読者に伝えたいこと

26.ざ瘡瘢痕に対するケミカルピーリング(戸佐眞弓)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技と術後管理
4 代表症例
5 読者に伝えたいこと・関連事項

27.瘢痕に対するリハビリメイク(かづきれいこ)
1 概念
2 適応と非適応
3 施術手技
4 瘢痕に対するリハビリメイクの特徴
5 事例
6 読者に伝えたいこと