ME機器 安全使用・管理マニュアル 虎の巻
国家資格取得から 臨床現場におけるME機器の使用目的、 操作方法、トラブル対処まで
次々と開発される機器に対して、臨床に携わる医療従事者は常に新たな知識・技術の習得と安全管理を強いられる。そこで、医療機器に精通した臨床工学技士がチーム医療に求められ、クローズアップされてきた。臨床工学技士とは、「医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者をいう」と定義されており(臨床工学技士法)、医療機器に関連した業務の中心的役割を担う。実際にチームで行う臨床現場では、技術提供業務と保守管理を行う臨床工学技士のみならず、明確な指示を出せる医師、業務介助ならびにトラブル対応の知識・技能を共有できる看護師、その他医療機器業務に関連する全ての医療従事者に、それぞれの立場における役割と責任を自覚させ、必要な知識・技能を修得させる教育が必要となる。
本書は、医療機器業務に熟練した医師と臨床工学技士が、同じ項目について、それぞれの立場・視点から記述し、従来の教科書や解説書にない実践に即した内容となっている。多くの経験を基に、様々なトラブル対処とその理解に必要な知識を明記することにより、多忙な臨床において短時間で医療機器の安全管理が修得できることを目指した構成となっている。さらに、最新の臨床工学技士国家試験問題とその解説を付すことにより、医療機器関連知識の重要なポイント、必要不可欠な知識を復習、再確認できるようにした。このように本書は、臨床工学技士のみならず、研修医から関連専門医、看護師、医療機器に関連したチーム医療を支えるあらゆる医療従事者を対象とした臨床実践マニュアルとして活用できると確信している。本書が医療機器の有効かつ安全な使用の教育・啓蒙に少しでも役立つことを願うものである。 (『序文』より抜粋)
第I章 体外循環関連
1 人工心肺と体外循環関連(清水 淳・黄川田弥生・鈴木健一)
2 血液浄化療法関連(源田雄紀・少前貴康)
第II章 機器管理関連
1 ME機器管理(システム)(岸川洋昭・小磯那津美)
2 人工呼吸器(本郷 卓・齊藤智之)
3 生体情報モニター(寺嶋克幸・佐々木拓也)
4 除細動器AED(古市結富子・戸村泰規)
5 パルスオキシメータ(中里桂子・志村亜由香)
6 輸液ポンプ/シリンジポンプ(石川真士・中野康太郎・山嵜覚志・鈴木健一)
第III章 集中治療関連
1 PCPS/ECMO(成人)(杉田慎二・森嶋俊介・鈴木健一)
2 人工呼吸器管理(竹田晋浩・庭山ゆう子)
3 IABP(金 徹・橋本美紀)
4 特殊血液浄化療法(小林克也・豊冨達智)
第IV章 その他
1 高気圧酸素療法(安齋めぐみ・中山拓也)
2 手術室業務(内視鏡・眼科手術・麻酔器など)(鈴木規仁・八重田知見・河原香織)
3 ペースメーカデバイス関連(赤田信二・大石沙織・鈴木健一)
4 カテーテル関連業務・EPS(金 徹・内田千草・八木 瞳)
5 保育器(武藤友美・美野輪恵子)