悪性腫瘍手術と周術期管理
麻酔科医のための
現在、手術患者の多くはがん関連手術が多く、特に根治術では生体への侵襲度が高く術後にSIRS状態になることが多い。このため、理想的な麻酔薬は抗がん作用および抗炎症効果を有する麻酔薬といえる。
今後確実に増える高齢患者に伴い、悪性腫瘍根治術の麻酔は増えていくと推察されることから、本書が何かしら日々の悪性腫瘍根治術の麻酔管理に役立てば幸いである。(『序文』より抜粋)
1 悪性腫瘍根治術の手術侵襲が生体に及ぼす影響(廣田和美)
A.腫瘍免疫
B.炎症
2 麻酔のがん進行への影響(丹羽英智)
A.悪性腫瘍の転移メカニズム
B.各種麻酔薬の悪性腫瘍病変の進行への影響
C.各種麻酔法と悪性腫瘍病変の進行
3 麻酔と炎症(斎藤淳一・廣田和美)
A.各種麻酔薬と炎症
B.各種麻酔法と炎症
4 各種悪性腫瘍手術と麻酔管理法
A.脳外科手術(櫛方哲也)
B.頭頸部外科手術(櫛方哲也)
C.呼吸器外科手術(櫛方哲也)
D.胸壁手術―乳がん手術を中心に―(北山眞任)
E.腹部外科手術(木村 太)
F.ロボット手術(木村 太)
G.四肢手術(木村 太)
5 輸血と腫瘍免疫(玉井佳子)
自己血輸血に関する弘前大学のデータ
1.貯血式自己血輸血(玉井佳子)
2.希釈式自己血輸血(橋本 浩)
6 がんに伴う合併症(野口智子)
A.抗がん薬の合併症
B.がん由来の合併症
7 術後鎮痛の影響(北山眞任)
A.古典的術後鎮痛法
B.iv-PCA
C.区域麻酔による鎮痛法
D.Multimodal analgesia
8 術後回復能力強化プログラム(中井希紫子)
9 集中治療管理と悪性腫瘍根治術術後(橋場英二)
A.悪性腫瘍手術後の炎症反応と腫瘍免疫
B.術後の過度の炎症コントロール
C.Enhanced recovery after surgery(ERAS(R))