知っておきたい! 予後まで考える!!周術期輸液・輸血療法KEYNOTE
編集 | 飯島毅彦 |
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ISBN | 978-4-7719-0490-3 |
発行年 | 2017年 |
判型 | B5 |
ページ数 | 136ページ |
本体価格 | 3,800円(税抜き) |
電子版 | あり |
M2Plus<電子版>
あなたの輸液と輸血が患者さんの予後に貢献する!!
ヒントがいっぱい詰まった1冊!
輸液、輸血ともに、その投与量・方法はそれぞれの麻酔科医の判断に任されてきました。しかし、現在では、輸液も輸血も不適切な投与による予後への影響が問題となっています。漫然とした投与が合併症の原因となれば、それを判断した医師の責任を問われかねないことになります。
本書では、麻酔科医であれば知っておきたい、現在分かっている輸液や輸血の知識をまとめました。具体的に何を何ml投与しましょうということは書いてありません。輸液・輸血療法に対する基本的な考え方をまとめたものですが、きっと、さまざまな場面での判断材料になると考えています。(『序文』より抜粋)
Part I 輸液 基本編
Chapter 1 輸液と予後
1.1 あなたの輸液は予後を変えるか?
1.2 なぜ、過剰輸液をしてしまうのか?
1.3 投与された輸液はどこへ?
1.4 術後の体重増加と合併症
Chapter 2 輸液の考え方の勘違い
2.1 禁水分と不感蒸泄による水分不足
2.2 ナトリウム分布の誤解
2.3 輸液は血液の代わりになるか?
2.4 急速輸液の効果
2.5 尿が出ないのはハイポである
2.6 輸液は腎を保護するか?
2.7 追っかけ輸液
Chapter 3 Zero-fluid balance
Chapter 4 各種病態と輸液
4.1 敗血症の病態と輸液の行方
1 敗血症の病態
2 敗血症における血管反応性と容量管理
3 敗血症におけるfluid responsiveness
4.2 褐色細胞腫摘出術の管理
4.3 腎障害に伴う内分泌異常と体液管理
4.4 水電解質バランスと薬理学的介入
4.5 血液透析患者の循環血液量
Part I 輸液 理論編
Chapter 1 サードスペースとは何か?
Chapter 2 Starlingの法則の改訂
Chapter 3 循環血液量とは何か?
3.1 循環血液量は推定値で計算してもよいものか?
3.2 適正な血液量はあるのか?
3.3 unstressed volumeとstressed volume
3.4 動脈圧波形の変動と循環血液量
3.5 goal-directed intraoperative fluid therapy(GDT)による循環管理
Chapter 4 グリコカリックス
4.1 グリコカリックスの性質
4.2 グリコカリックスの血管透過性に対する効果
Chapter 5 水の漏出と血管内への回帰
Part II 輸血
Chapter 1 あなたの輸血で予後は変わるか?
Chapter 2 血液製剤で知っておかなければならないこと
2.1 使用指針の考え方
1 赤血球液
2 新鮮凍結血漿
3 血小板濃厚液
4 アルブミン
2.2 輸血前検査
1 Type & Screening(T&S)
2 交差適合試験
Chapter 3 輸血を必要とする病態とその対応
3.1 希釈性凝固障害
3.2 急速大量出血と緊急O型輸血
3.3 多発外傷
3.4 新生児の輸血:保存血と血清カリウム値
Chapter 4 輸血に伴う合併症
4.1 不適合輸血
4.2 輸血関連急性肺障害(TRALI)
4.3 輸血関連循環過負荷(TACO)
4.4 輸血によるウイルス肝炎感染の危険性
4.5 鉄過剰症
Chapter 5 輸血と周術期アウトカム
5.1 大量出血に伴う輸血と予後
5.2 輸血とがんの進展
5.3 赤血球の保存期間と予後に対する影響
Chapter 6 遡及調査と被害者救済制度
Chapter 7 自己血輸血
Chapter 8 宗教上の理由による輸血拒否患者への対応