第56回(2017年度)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集

第56回(2017年度)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集

編集 麻酔科専門医試験対策研究会
ISBN 978-4-77190505-4
発行年 2018年
判型 B5
ページ数 284ページ
本体価格 4,200円(税抜き)
電子版 なし


増刷分も含め品切れとなりました。

●A問題
[56A1]手術室における安全性と環境整備:感染:AIDS,肝炎
[56A2]麻酔における研究計画と統計学:スクリーニングテスト
[56A3]脳脊髄液
[56A4]脳神経外科の麻酔:動脈血二酸化炭素分圧の管理
[56A5]自律神経系の薬理学:機能
[56A6]気道管理:上気道の解剖
[56A7]体位:末梢神経傷害
[56A8]神経ブロック:上肢の神経叢・神経ブロック,下肢の神経ブロック
[56A9]循環生理学:心機能調節:心臓反射
[56A10]循環生理学:電気生理学
[56A11]胸部外科手術の麻酔:麻酔法:一側肺換気の生理的影響:低酸素性肺血管収縮に対する麻酔薬の影響
[56A12]血液凝固モニタリング:血液凝固異常:抗凝固薬:ワルファリン,低分子ヘパリン,抗血小板薬
[56A13] 呼吸:呼吸生理の基礎:肺におけるガス交換
[56A14]呼吸:呼吸生理の基礎:呼吸器系の構造と生理機能:肺循環
[56A15]循環:心機能調節:収縮機能の評価
[56A16]術前合併症と対策:内分泌・代謝疾患:栄養疾患:肥満
[56A17]麻酔器:補助ボンベからのガス供給
[56A18]肝臓の生理学と病態生理:肝臓病の病態生理
[56A19]緩和:がん性痛の治療:薬物治療
[56A20]酸塩基平衡,体液,電解質:酸,塩基,緩衝液の定義
[56A21]代謝モニタリング:糖代謝異常:血糖値:非ケトン性高浸透圧症候群
[56A22] 輸液の種類・適応:晶質液
[56A23]酸塩基平衡,体液,電解質:マグネシウムの生理
[56A24]肺の代謝機能
[56A25]術前合併症と対策:内分泌系疾患と栄養疾患
[56A26]体液と電解質の生理学:カルシウムの生理
[56A27]吸入麻酔薬:取り込みと分布
[56A28]吸入麻酔薬:取り込みと分布:FA/FI比上昇率に関係する因子
[56A29]吸入麻酔薬:吸入麻酔薬の代謝と毒性
[56A30]吸入麻酔薬:デスフルラン
[56A31]吸入麻酔薬:作用機序
[56A32]吸入麻酔薬:吸入麻酔薬麻酔力価の変化,麻酔薬力価の測定
[56A33]麻酔器:気化器:可変式バイパス気化器:蒸発量に関係する因子
[56A34]静脈麻酔薬:ドロペリドール
[56A35]静脈麻酔薬:ケタミン
[56A36]オピオイド,鎮痛薬:レミフェンタニル
[56A37]術前合併症と対策:内分泌・代謝疾患:栄養疾患:肥満
[56A38]静脈麻酔薬:α2受容体刺激薬
[56A39]静脈麻酔薬:フルマゼニル
[56A40]局所麻酔薬:構造-作用関係と物理化学的性質
[56A41]局所麻酔薬:構造-作用関係と物理化学的性質
[56A42]神経筋遮断:脱分極性筋弛緩薬:特殊な病態での注意点
[56A43]筋弛緩薬,拮抗薬:特殊な患者群:熱傷
[56A44]薬力学,薬物動態:薬物動態学的概念:クリアランス
[56A45]静脈麻酔薬:基礎薬理学:薬物動態
[56A46]薬力学,薬物動態:薬物動態学的概念:分布容積
[56A47]術前合併症と対策:心血管疾患:血栓症:深部静脈血栓症,肺血栓塞栓症
[56A48]麻酔器:麻酔回路:循環回路
[56A49]麻酔器:パイプラインからのガス供給
[56A50]脳神経外科手術の麻酔:生理学:頭蓋内圧に影響する因子:薬物
[56A51]神経学的モニタリング:脳循環代謝モニタリング:近赤外線脳酸素モニター
[56A52]モニター・基本原理:光エネルギー測定:パルスオキシメータ:基本原理
[56A53]酸塩基平衡,体液,電解質
[56A54]成人心臓外科手術の麻酔:機械的補助:大動脈内バルーンパンピング
[56A55]小児心臓外科手術の麻酔:先天性心疾患の病態生理学
[56A56]神経筋モニタリング:末梢神経刺激法:ポストテタニックカウント
[56A57]血液凝固に関連する薬物:抗凝固薬:ヘパリン,ワルファリン
[56A58]気道管理:経鼻挿管
[56A59]耳鼻咽喉科の麻酔:咽喉頭の解剖:機能解剖
[56A60]体位変換による生理学的影響:心血管系,呼吸器系
[56A61]輸血の種類,適応,保存:輸血準備:輸血検査,タイプ&スクリーニング法,最大手術血液準備量,手術血液準備量計算法
[56A62]栄養管理:外科患者の栄養必要量
[56A63]脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔:脊髄くも膜下麻酔:合併症
[56A64]神経ブロック:下肢の神経ブロック
[56A65]神経ブロック:上肢の神経叢・神経ブロック:腕神経叢ブロック
[56A66]肝臓の生理学と病態生理:肝臓病の病態生理
[56A67]成人心臓手術の麻酔:術後管理:心タンポナーデ
[56A68]血管外科手術の麻酔:胸腹部大動脈瘤手術:脊髄保護:麻酔法 脊髄虚血と麻痺
[56A69]脳神経外科手術の麻酔:頭蓋内圧亢進症患者の周術期管理
[56A70]整形外科手術の麻酔:特殊な病態:ターニケット:ターニケット解除の影響
[56A71]妊娠による生理的変化:血液の変化,代謝・肝機能の変化,呼吸器系の変化
[56A72]眼科手術の麻酔:眼圧:眼圧への影響因子,麻酔の影響
[56A73]小児麻酔:新生児・乳児の生理的発達
[56A74]日帰り麻酔:麻酔後管理:帰宅基準
[56A75]手術室以外での麻酔:電気痙攣療法(ECT):麻酔管理:生理的影響
[56A76]臓器移植の麻酔:移植手術の周術期管理
[56A77]術後回復室:悪心・嘔吐
[56A78]術後疼痛管理:術後痛の生体への影響
[56A79]集中治療:人工換気様式:従圧換気
[56A80]集中治療:呼吸:人工呼吸の合併症:人工呼吸関連肺損傷(VALI)
[56A81]集中治療:循環:ショック:循環血液量減少性ショック
[56A82]外傷患者の麻酔:脊椎と四肢の外傷:頚髄損傷
[56A83]腎,輸液,輸血,栄養:栄養の基礎的概念:栄養素の代謝とその障害:飢餓
[56A84]成人心臓手術の麻酔:血液凝固に関連する薬物:抗凝固薬:ヘパリン
[56A85]リスクマネジメント:麻酔の安全性を向上するために:麻酔関連のガイドライン:中心静脈カテーテル
[56A86]栄養管理:各栄養素の呼吸商(RQ)
[56A87]救急医療:心肺蘇生法:一次救命処置:気道確保と換気
[56A88]ペインクリニック:代表的な痛み疾患:三叉神経痛
[56A89]ペインクリニック:代表的な痛み疾患:帯状疱疹痛,帯状疱疹後神経痛
[56A90]緩和:がん性痛の治療:薬物治療:オピオイドの副作用対策 96
●B問題
[56B1]リスクマネジメント:麻酔の安全性を向上するために:麻酔関連のガイドライン:中心静脈カテーテル
[56B2]手術室の安全管理・環境整備:手術安全におけるヒューマンファクター:WHO手術安全のガイドライン
[56B3]手術室の安全管理・環境整備:感染
[56B4]研究計画と統計学:統計法の選択:データの種類:数値データと分類データ
[56B5]研究計画と統計学:研究法の設定,統計法の選択:第1の過誤と第2の過誤,記述統計と推計統計,検定と推定
[56B6]医療倫理:研究倫理:臨床研究倫理指針:厚生労働省 医学研究に関する指針
[56B7]中枢神経系:脳血流の調節:血管作動薬
[56B8]中枢神経系:麻酔薬の及ぼす他の影響
[56B9]自律神経系:自律神経機能不全:加齢による自律神経系の変化
[56B10]神経筋接合部:神経伝達物質:アセチルコリンエステラーゼ
[56B11]筋弛緩薬,拮抗薬:アセチルコリン受容体
[56B12]循環:血管生理:血管内皮細胞:一酸化窒素,エンドセリン
[56B13]循環:心臓周期
[56B14]胸部外科手術の麻酔:麻酔法:一側肺換気の生理的影響
[56B15]呼吸モニタリング:換気力学モニター:気道内圧
[56B16]肝臓:肝臓病の病態生理:肝硬変と門脈圧亢進症
[56B17]酸塩基平衡,体液,電解質:カルシウムの生理:低カルシウム血症
[56B18]酸塩基平衡,体液,電解質:酸塩基平衡の異常:代謝性アルカローシス
[56B19]酸塩基平衡,体液,電解質:カリウムの生理:低カリウム血症
[56B20]薬力学,薬物動態:薬物効果の臨床的評価:薬物相互作用:アイソボログラム
[56B21]静脈麻酔薬:物理化学的性質:化学構造式
[56B22]静脈麻酔薬:プロポフォール:副作用と禁忌:propofol infusion syndrome
[56B23]局所麻酔薬:毒性:全身毒性:中枢神経系毒性,心毒性
[56B24]局所麻酔薬:さまざまな区域麻酔における局所麻酔薬の選択:Tumescent麻酔
[56B25]救急医療:器官別の代表的病態:アレルギー:アナフィラキシー
[56B26]リスクマネジメント:麻酔の安全を向上するために:麻酔関連のガイドライン:術前絶飲食ガイドライン
[56B27]循環モニタリング:心内圧測定:中心静脈圧:中心静脈カテーテル
[56B28]薬力学,薬物動態:薬物動態学的概念:コンパートメントモデル
[56B29]中枢神経系:睡眠,記憶,麻酔
[56B30]神経学的モニタリング:麻酔と脳波:静脈麻酔薬,吸入麻酔薬(※採点より除外)
[56B31]神経学的モニタリング:麻酔と脳波:静脈麻酔薬:プロポフォール
[56B32]循環モニタリング:動脈圧測定:観血的血圧測定:動脈血圧波形
[56B33]循環モニタリング:心内圧測定:肺動脈圧:肺動脈圧・肺動脈楔入圧
[56B34]神経筋モニタリング:末梢神経刺激法:原理と方法
[56B35]血液凝固モニタリング:血液凝固・線溶系の評価,血液凝固モニタリング
[56B36]体位:末梢神経障害
[56B37]体温管理:軽度術中体温:利点,合併症
[56B38]集中治療:腎,輸液,輸血,栄養:栄養の基礎的概念:栄養必要量の算出,栄養素の代謝とその障害
[56B39]脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔:脊髄くも膜下麻酔:薬理学,麻酔範囲に影響する因子
[56B40]脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔:脊髄くも膜下麻酔
[56B41]神経ブロック:上肢の神経叢・神経ブロック:腕神経叢ブロック:腋窩アプローチ
[56B42]悪性高熱症:概論,診断と治療
[56B43]成人心臓外科手術の麻酔:各種手術:心タンポナーデ:麻酔管理
[56B44]小児心臓外科手術の麻酔:各種手術:TOF修復術
[56B45]泌尿器科手術の麻酔:恥骨上前立腺切除術:麻酔法
[56B46]産婦人科手術の麻酔:帝王切開術の麻酔
[56B47]術後合併症:中枢神経系合併症:認知機能障害
[56B48]術後回復室:回復室からの退室:退室基準:Aldreteスコア
[56B49]緩和:がん性痛の治療:薬物治療
[56B50]集中治療:呼吸:人工呼吸療法:換気モード
[56B51]呼吸モニタリング:換気力学モニター:流量(流速)
[56B52]肝臓:肝臓の生理的機能:血液凝固
[56B53]術後合併症:感染症:創部感染
[56B54]外傷患者の麻酔:出血性ショックからの蘇生:早期蘇生と晩期蘇生
[56B55]緩和:がん性痛の治療:薬物療法
●C問題
[56C1~2]リスクマネジメント:危機的出血への対応ガイドライン
 [56C1]コマンダーの役割/[56C2]血液製剤の選択(※採点より除外)
[56C3~4]循環モニタリング:心内圧測定:中心静脈圧:中心静脈カテーテル
 [56C3]超音波エコー下内頚静脈穿刺/[56C4]超音波エコー下内頚静脈穿刺
[56C5~6]術前合併症と対策:中枢神経・脊髄疾患:閉塞性脳血管障害
 [56C5]診断/[56C6]神経学的モニタリング
[56C7]循環モニタリング:心電図:虚血の診断:心筋虚血,ST変化
[56C8]酸塩基平衡,体液,電解質:酸塩基平衡の異常:アニオンギャップ
[56C9~11]救急医療:器官別の代表的病態:中枢神経系:頭蓋内血腫
 [56C9]循環モニタリング:心電図:虚血の診断
 [56C10]画像診断:胸部エックス線写真/[56C11]診断・治療
[56C12~13]術前合併症と対策:心血管疾患:Brugada症候群
 [56C12]術中管理(※採点より除外)/[56C13]診断
[56C14~15]血管外科手術の麻酔:胸腹部大動脈瘤手術:術中モニタリング
 [56C14]MEP/[56C15]MEP
[56C16~17]循環モニタリング:心電図:不整脈の診断:致命的不整脈
 [56C16]薬物誘発性QT延長症候群/[56C17]治療
[56C18]リスクマネジメント:麻酔関連のガイドライン:宗教的輸血拒否に関するガイドライン
[56C19~20]神経ブロック:下肢の神経ブロック:坐骨神経ブロック:膝窩アプローチ
 [56C19]超音波ガイド下神経ブロック法
 [56C20]超音波ガイド下神経ブロック法
[56C21~22]成人心臓外科手術の麻酔:各種手術:大動脈弁狭窄症
 [56C21]術前評価:心臓超音波検査/[56C22]麻酔管理
[56C23~24]小児心臓外科手術の麻酔:各種手術:TOF修復術
 [56C23]肺体血流比/[56C24]無酸素発作
[56C25~26]小児心臓外科手術の麻酔:各種手術:VSD手術
 [56C25]VSD手術/[56C26]麻酔管理
[56C27~28]救急医療:器官別の代表的病態:中枢神経系:頭蓋内血腫
 [56C27]硬膜外血腫/[56C28]グラスゴー昏睡スケール
[56C29]救急医療:器官別の代表的病態:中枢神経系:頭蓋内血腫
[56C30~31]脳神経外科手術の麻酔:各種手術:後頭蓋窩手術
 [56C30]術前評価:神経学的検査
 [56C31]モニタリング:中枢神経系モニタリング:聴性脳幹反応
[56C32~33]脳神経外科手術の麻酔:各種手術:脳動脈瘤
 [56C32]神経原性肺水腫,麻酔管理,心電図異常,輸液管理
 [56C33]麻酔管理
[56C34~35]脳神経外科手術の麻酔:各種手術:けいれん手術/awake craniotomy
 [56C34]麻酔法(※採点より除外)/[56C35]麻酔管理
[56C36~37]泌尿器科手術の麻酔:経尿道的前立腺切除術(TURP)
 [56C36]TURP症候群:病態/[56C37]TURP症候群:治療
[56C38]救急医療:心肺蘇生法:新生児蘇生
[56C39~40]産婦人科手術の麻酔:産科出血
 [56C39]術前検査・準備/[56C40]産科危機的出血
[56C41]気道管理:抜管:抜管の合併症
[56C42]外傷患者の麻酔:術前評価:特殊疾患と病態:熱傷
[56C43~44]術後合併症:呼吸器合併症:気道閉塞,低酸素血症,肺水腫
 [56C43]病態/[56C44]家族への対応
[56C45~46]リスクマネジメント:麻酔の安全性を向上するために:麻酔関連のガイドライン:肺血栓塞栓症
 [56C45]診断/[56C46]治療
[56C47~48]救急医療:アレルギー:アナフィラキシー
 [56C47]治療/[56C48]確定診断
[56C49~51]整形外科手術の麻酔:特殊な病態:脂肪塞栓
 [56C49]気胸/[56C50]急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
[56C51]脂肪塞栓症候群
[56C52]神経ブロック:上肢の神経叢・神経ブロック:解剖
[56C53~54]ペインクリニック;代表的な痛み疾患:脊椎疾患に伴う痛み
 [56C53]診断/[56C54]神経ブロック
[56C55]緩和:がん性痛の治療:薬物治療
■問題タイトル一覧

本書の使い方とねらい

本書は日本麻酔科学会第56回麻酔科専門医認定筆記試験問題(2017年度)に解説を加えたものである。麻酔科学領域の知識面を評価する筆記試験は,既出・類似問題が全体の約45%以上を占めるが,過去問題データベースからの精選問題を含めて,必ずしも容易なものではない。受験対策としては,・生理学や薬理学,解剖学,統計学などの基礎学力を普段から鍛えておく,・臨床的なトピックスを最新のジャーナルから求めておく(メタアナリシスやシステマティックレビューなど),・出題水準や傾向を把握するための過去問題の検討(5年間程度:ただし,選択肢内容や出題形式に手を加えられることが多くなった),に尽きるだろう。特に,後者においては,各設問に対して詳細な解説を加えた本書シリーズが受験準備に十分役立つはずであり,著者らが目標とするところである。
ところで,本書の構成は,第41回解説集以降,各選択肢の【解説】ならびに,必要に応じてその解説を補う【要点チェック】,【関連過去問題】,【正解】による単純なものとなっている。これは,読みやすさを優先し,本書を通読すれば一定の知識が得られるように配慮した結果であるが,今回についても,図・表(大多数が「Miller’s Anesthesia 8th ed.」および克誠堂出版株式会社・PROFESSIONALシリーズから引用)を比較的多用しており,その詳細についてはそれぞれの原著を参考にしてほしい。

各問題の解説は,以下のような構成とした。

[問題番号]分類
各問題の分類は,麻酔科医としての標準的な研修手引きである日本麻酔科学会「麻酔科医のための教育ガイドライン第3版(2015年3月)」に可能な限り準拠した。しかし,この教育ガイドラインは必ずしも網羅的でなく,用語については麻酔科学用語集第4版との不一致が認められるため,本研究会独自の分類を示した箇所があることに注意されたい。

【解説】
それぞれの選択肢について,正誤および簡単な解説を加え,内容がほぼ同一であると思われる既出問題については,その問題番号を各解説の末尾に加えた。なお,公表された正解に対する疑問点については“?”を付したが,最終的な判断は読者に委ねたいと考えている。また,設問文が否定形の場合,各選択肢が医学的に正しい内容であれば“○”,誤った内容であれば“×”とした点に留意いただければ幸いである。

【要点チェック】
選択肢解説からの発展的な内容や関連事項について簡単な概説を加えた。筆記試験問題の多くは,確立した根拠を重視する結果,標準的な教科書とされるMiller’s Anesthesia(第6版が「ミラー麻酔科学」として翻訳されている)に準拠している。しかし,解説内容や図・表は最新の第8版に基づくものが多く,理解を深めたい場合には,付されている出典ページ数を参考に原著を精読するとよい。

【関連過去問題】
関連過去問題は,第40回以降の問題について出題内容が比較的類似するものを選択した。この選択基準は必ずしも一定でないが,どのような傾向の出題が多く行われているか,読者の参考になると思われる。

【正解】
日本麻酔科学会の公表した正解を記した。これは,正解が不明,あるいは疑問視される問題については真の正解を記すべきであるが,学会公表の正解をそのまま掲載することにも受験対策としての意義があると考えたためである。

最後に,例年と同様に,巻末にはFAX送信書を加えた。問題公表から本解説書発刊までの時間的猶予は限られ,必ずしも十分な検討を尽くしたとはいえない。本解説書の今後の向上を目指す意味でも,是非,忌憚のないご意見・ご指摘をいただければ幸いである。

2018年4月

麻酔科専門医試験対策研究会