社告:誤解による二次利用への注意喚起
無断で著作物を二次利用する行為は、その許諾料を重要な収益としている出版業界に経済的な損失を与えるものであり、ひいては学術の衰退を招くものです。
そのほとんどは、著作権法についての誤解や勝手な解釈に基づいており、昨今では病院や大学、学会においても無断利用が横行していると聞き及んでおります。事態は深刻であると受け止め、自然科学書協会(外部リンク)や日本医書出版協会(外部リンク)はそれぞれ注意喚起の文面を公式ホームページに掲載しています。弊社としましても、出版社の利益を守ることも研究者の務めと考える国際情勢に鑑み、無断利用は研究倫理上の問題であると認識を新たにしていただきたく考えております。
以下に、よくある誤解についてまとめさせていただきました。
また、事例ごとの申請方法については、別ページ「二次利用に関する手続きについて」にまとめました。
それぞれを参考にしていただき、著作物を正しく利用していただくようお願い申し上げます。
以上のような誤解があることを知りながら、弊社を含め、多くの出版社は多少のことには「見て見ぬふり」をしてまいりました。「先生方の研究・教育を邪魔するようなことはあってはならない」、「学術の発展は社会全体のためであり、やがては出版社の益としてめぐってくる」との思いゆえのことでした。
しかしながら、誤解が広く蔓延してしまい、少数の先生だけでなく、学会や大学からも間違った認識が聞かれるようになってしまいました。また、科学社会論の発展により、純粋科学の領域であってすら研究者の社会背景が研究成果に色濃く現れることが明らかとなり、2000年前後からは研究者の行動にも社会の厳しい目が向けられるようになってきました。ここに至り、出版社の「見て見ぬふり」も研究者の不正を助長しかねないものであったと、深く反省をいたしております。
弊社は襟を正すとともに、改めて著作物の正しい二次利用の方法を案内してまいります。ご執筆をいただく先生方におかれましては何卒ご理解とご了承を賜りますようお願い申し上げます。
2020年4月1日
克誠堂出版株式会社