⃝周囲の剥離が済んだ後に改めて神経を手前に牽引すると,神経の走行する経路を皮膚上からも確認することができる。最初の神経走行のデザインのずれをここで修正していく。1956腓腹神経周囲の剥離▪同定された腓腹神経の周囲を剥離し,神経の走行を明らかにしていく。ここでは神経の分枝を認めたため,分枝にもテープをかけてなるべく長く剥離している。▪分枝をメスあるいは剪刀で切断し確保する。▪腓腹神経にかけたテープを手前に牽引してテンションをかけ,頭側に向けて神経周囲の剥離を進める。Point⃝再建するべき神経の欠損範囲がストレートに1本の形状であれば,採取する腓腹神経の細かな分枝は必要ない。この場合には,分枝を見つけたら分岐部よりやや先で切断してしまえばよい。しかし顔面神経など再建するべき神経に分枝がある場合には,腓腹神経の分枝が後ほど有効に利用できるかもしれない。そのためわれわれは,顔面神経再建の症例では,腓腹神経の分枝もなるべく長く残して採取している。Point⃝同定された神経の採取を,まずは頭側に進めていく。神経周囲に付着する余計な脂肪組織をなるべく落とし,神経組織そのものに沿って剥離子を進める。特に抵抗なく「すーっと」剥離子が進むはずである。その後1~2回剥離子を開閉すれば,神経周囲の剥離はほぼ終了する。
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