50jyutusiki
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● 術中管理■ モニタリング,脳脊髄保護などについてまとめると表1のようになる。■ 動脈圧ライン:Debranch—TEVARは腕頭,左鎖骨下動脈を遮断する状況があるので両手に動脈ライ■ 中心静脈ライン:ステントグラフトをDeploy後は留置部位の脊髄分節動脈がすべて閉塞するため昇■ ステントグラフトを展開する際にステントが固定されるランディングゾーンがずれるのを避けるため■ MEP:国立循環器病研究センターではステントグラフト内挿術も原則として運動誘発電位(motor evoked potentials)は実施している。Zone3—4でステントグラフトがAKAを被覆する場合は下肢麻痺を起こす可能性も高くなる。Zone0—2の場合は鎖骨下動脈から分枝する脊髄栄養血管の影響を考慮している。また,ステントグラフトをDeployする際に大動脈瘤の粥状効果の部分から塞栓が飛ぶこともある。開胸開腹の手技と比較すると術後麻痺の可能性は低いが,運動麻痺に関しては十分留意する必要がある1)。■ 局所脳酸素飽和度:Debranch—TEVARの場合はZone0—2の場合は何らかの頸動脈遮断を伴うその際,局所脳酸素飽和度のモニタリングは行っておく方がよい。左総頸動脈にバイパスに用いる人工血管を吻合する際には頸動脈を遮断することになる。その際,一過性にrSO2は低下する場合があり,モニタリングは必要である。それ以外にも手術操作で頸動脈を圧迫することもありその際にアラートを発することが可能になる。その意義も大きい。■ 脊髄保護戦略としてはMEP陽性時,ステントグラフト展開時の昇圧,脳脊髄液ドレナージの実施などがあげられる。しかし,開胸開腹ではIbとされていたがステントグラフト内挿術ではIIaとなっており重症例を選択して実施すべきとしている4)。Debranch TEVAR両側必要必要症例によっては必要必要症例によっては必要TEVAR右手必要場合によっては症例によっては必要必要なし症例によっては必要123動脈圧中心静脈ライン高頻度ペーシングMEPrSO2脳脊髄液ドレナージ表1 Debranch TEVARとTEVAR 閉塞したAdamkiewicz artery(AKA)の周囲に側副血行路が発達するともいわれている1)。 2 脳虚血■ ステントグラフトの展開時に逆行性に塞栓子が脳にとぶことも指摘されている3)。さらにdebranch TEVARの場合はステントグラフによって被覆される弓部大動脈から分枝する腕頭動脈,左総頸動脈,左鎖骨下動脈にバイパス血管を吻合する際に動脈を遮断し虚血に陥るためモニタリングの必要がある。ンを取る必要がある。圧を行う。その際,ノルアドレナリンを使用する場合もあり中心静脈ラインは留置している。にRapid pacingを行う場合もある。当院では,透視下に麻酔科が留置を行っている。

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