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■ 下行大動脈吻合部での圧較差の有無を確認するために,下肢にも動脈圧ラインを留置する。■ 静脈ラインは大血管手術であるため最低2本は確保する。可能であれば1本は22 Gで確保するのが■ 中心静脈カテーテルは右内頸静脈より留置する。将来的にGlenn手術が行われるので,上大静脈閉塞■ ScvO2のリアルタイムモニタリングが可能なカテーテル(Pediasat oximetry catheter®)を用いる■ 局所脳酸素飽和度モニターは一側脳灌流の流量の指標となるため使用しておく。■ 経食道心エコーは心機能の評価,血管吻合部の狭窄の評価などに非常に有用となるため必須のモニ■ 脳分離体外循環が行われるため,体温は咽頭温,膀胱温(膀胱温センサー付きの尿道カテーテルが挿■ 両側PA banding術後の場合はSpO2 70~80%,ETCO2 40 mmHg程度,PA bandingをあらかじめ行っていない症例ではSpO2 70~85%,ETCO2 45~55 mmHg程度となるよう換気を維持する。■ 静脈ラインが確保された後にはfentanyl主体でmidazolam,vecuroniumを併用し麻酔を維持す■ 人工心肺による全身性炎症反応の影響を考慮し,ステロイド(メチルプレドニゾロン30 mg/kg)を■ 止血剤としてトラネキサム酸を投与する。投与量は皮膚切開前に20~40 mg/kgのボーラス投与,169など),強心薬使用の有無を確認する。脈,右上腕動脈,右浅側頭動脈のいずれかが選択肢となる。好ましい。のリスクを避けるため体重3 kg未満では4~4.5 Frのカテーテルを選択する。と人工心肺離脱後の循環管理に有用である。ターとなる。入できない場合には直腸温)および手掌で末梢温をモニターする。❷ 麻酔の導入■ プロスタグランジンE1の投与ライン以外に静脈ラインがない場合には緩徐導入で行う。■ 高肺血流状態となるのを避けるためroom airで導入する。■ Room airでのマスク換気は容易にSpO2低下を起こしやすく,これを避けるために換気量を大きくしすぎるとCO2が低下しすぎて肺血管抵抗が低下するため,安全に導入を行うにはある程度の習熟が必要となる。る。投与する。10~20 mg/kg/hrを維持量として持続投与を行う。❸ 人工心肺確立までの麻酔管理■ 人工心肺開始までに注意するべきなのは高肺血流状態による血圧低下・心不全と,チアノーゼの増悪 ● 術前評価■ バイタルサイン:血圧,SpO2,尿量などを確認する。■ 呼吸:自発呼吸か人工呼吸管理か,窒素は使用されているかなどを確認する。■ 循環:心機能,三尖弁逆流の有無,心房内もしくは心房間の狭窄性病変の有無(三心房心,狭いASD ● 麻酔管理❶ ラインとモニター■ 脳分離体外循環の間の灌流圧をモニターするため,上肢の動脈圧ラインは右側に留置する。右橈骨動

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