127Comments 2) Valley RD, et al. Tracheal extubation of deeply anesthetized pediatric patients : a comparison rane. Br J Anaesth 1996 ; 76 : 362─4.of desflurane and sevoflurane. Anesth Analg 2003 ; 96 : 1320─4.フルラン呼気終末濃度1MACでは,10秒以上持続する喉頭痙攣が32%(12/38)で発生したのに対し,MAC ED95intubationでは18%(7/38)と高濃度セボフルランで発生率が低い傾向が見られたが,統計学的有意差を認めなかった〔オッズ比 3.5, 95%信頼区間(CI) 0.72─16.84, P=0.18〕.咳反射,呼吸反射などの発生率は,両群で同等であった. ●参考文献 1) Wolf AR, et al. Recovery after desflurane anaesthesia in the infant : comparison with isoflu-本研究では,MAC ED95intubationの呼気終末セボフルラン濃度(4.7%)下でも,約20%の患者で喉頭刺激により喉頭痙攣が発症した.これは深麻酔下で声門上デバイスを抜去する場合,MAC ED95intubationのような高濃度のセボフルラン使用下であっても,喉頭の刺激により喉頭痙攣が惹起される可能性を示唆している.高濃度セボフルラン下であっても,分泌物などの喉頭への刺激を極力避ける必要性を示している.抜管後はセボフルラン濃度が低下していくため,浅麻酔時にベッド移動や着替えなどの刺激により喉頭痙攣などが誘発される.そのため高濃度セボフルラン下での抜管後も,セボフルラン濃度を考慮しつつ患者を観察する必要がある.著者らは以前から同様の手法で研究を行っており,倫理委員会や保護者の同意も得られているが,健康な小児に対し有害事象を引き起こす可能性の高い侵襲的介入を行っていることに関して倫理的問題が残る.日本では2011年よりデスフルランが臨床使用できるようになった.わが国では小児を対象とした臨床試験を実施していないため,小児に対する安全性は確立していない.実際の臨床でデスフルランはセボフルランと比較して,小児でも投与中止後の迅速な呼気濃度の低下が観察でき,過去の研究からもデスフルランによる麻酔維持からの迅速な覚醒が報告されている1).しかし,回復室からの退室基準を満たすまでの時間や実際の退室時間には,セボフルランと臨床上有意差はない.6歳以下の小児に対して,デスフルランによる麻酔維持後に深麻酔下でLMAの抜去を行った研究では,セボフルランと比較して息こらえや分泌物亢進,酸素飽和度の低下など,呼吸器系の合併症が有意に多かった2).これらのことから,デスフルランによるメリットがそのデメリットを上回る小児症例はごく限られ,ルーチンでの使用は推奨できない.
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