PBLDで学ぶ痛み治療
5/10

Point  主要な頭痛の特徴を理解しておこう!伝えたい一言表4 片頭痛の特徴:POUNDing 頭痛にはそれぞれ特徴があり、問診と診察で診断できるものが多い。頭痛の診断は国際頭痛分類にそって行う。国際頭痛分類の日本語版は、日本頭痛学会ホームページより閲覧が可能である1)。 本症例の頭痛は片頭痛と診断できる。片頭痛の有病率は8.4%と報告されており2)、日常診療でも遭遇することは多い。片頭痛の特徴はPOUNDingという5つの頭文字で表され(表4)、5つのうち4つを満たせば片頭痛の可能性が高い3)。さらにこの片頭痛は、「目の前がチカチカして焦点が合わない」といった前兆を伴っており、「前兆のある片頭痛」と診断される。片頭痛の中でも、前兆を伴う場合は症状が特徴的であり、診断しやすい。片頭痛は片頭痛治療薬が奏功することが多いので、診断ができるようにしておこう。 適切な片頭痛治療薬は何か。(○△×)をつけよ。1)ロメリジン〔日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会訳.アルゴリズムをどう使用するか.国際頭痛分類(第3版beta版).東京:医学書院;2014.p.23—8より引用〕5つのうち4つを満たせば片頭痛の可能性が高いPulsating(拍動性)duration of 4~72 hOurs(4~72時間の持続)Unilateral(片側性)Nausea(悪心)Disabling(生活支障度が高い)8.頭痛の鑑別と対応085設 問症例経過3 片頭痛と診断され、片頭痛治療を開始することになった。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る