3基礎疾患を有する患者診察と評価 基礎疾患を有する患者の評価は、前述の全身の身体評価を臓器別(呼吸器疾患、循環器疾患、神経・筋疾患、肝疾患、腎疾患、代謝・内分泌疾患、免疫疾患、血液疾患など)に整理して問診と診察を行う。術前診察所見や検査データから、各臓器機能がどのような状態であるかを客観的に評価する。a.呼吸器疾患 問診では、日常生活の程度(Hugh-Jones分類:表4)を評価する。喫煙歴、喫煙状況を確認して禁煙させる。禁煙効果は短時間でも麻酔前には十分な効果があることを説明する(表 5)9)。Hugh-JonesⅢ度以上では術後肺合併症が増加する。聴診診察、胸部X線検査、経皮的酸素飽和度測定を行う。スパイロメータを用いた呼吸機能検査(1秒率と%肺活量)では拘束Ⅰ度(正常)Ⅱ度(軽度)Ⅲ度(中等度)Ⅳ度(高度)Ⅴ度(非常に高度)話したり,衣服を脱いだりするだけで息切れがし,そのため外出もできない(讃岐美智義.やさしくわかる! 麻酔科研修.東京:学研メディカル;2015.p.88より転載)Class Ⅰ:口蓋弓,軟口蓋,口蓋垂ともによく見える.Class Ⅱ:口蓋弓,軟口蓋は見えるが口蓋垂の先端が見えない.Class Ⅲ:口蓋垂の基部と軟口蓋しか見えない.Class Ⅳ:軟口蓋は見えず硬口蓋しか見えない.正面を向いてもらいできるだけ大きな口を開けて舌をできるだけ前に突き出してもらう.この際に発声しては,正しい評価ができない.〔Zahid HK, Kashfi A, Ebrahimkhani E. A companson of the upper lip bite test(a simple new technique)with modified Mallampati clas-sifcation in predicting difficulty in endotracheal intubation:a pro-spective blinded study. Anesth Analg 2003;96:595—9より転載〕図6 3—3—2の法則図7 マランパチ(Mallampati)分類表4 Hugh-Jones分類8①3横指②3横指③2横指Class ⅠClass Ⅱ同年齢の健康者と同様に仕事ができ,歩行,階段の昇降も健康者と同様である平地では同年齢の健康者と同様に歩けるが,坂や階段は健康者と同様には登れない平地でも健康者と同様な歩行はできないが,自分の歩調ならば約1.6 km以上歩ける休みながらでなければ,約50 m以上歩けないClass ⅢClass Ⅳ舌骨③2横指甲状軟骨輪状軟骨
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