腰痛・腰下肢痛診療のキーポイント
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棘上■帯椎間関節柱棘間■帯椎間関節前縦■帯椎間板椎間関節包(上極) 関節軟骨上関節突起下関節突起図1 脊椎の支持機構 荷重を受け止める椎体と椎間板(前方要素:薄青色で示す)と、背側・両側に位置して身体軸の運動を制御する椎間関節(後方要素:濃青色で示す)により脊椎は支持される。[橋爪圭司.椎間関節症と椎間関節ブロック.森本昌宏ほか編.“痛み”のX線透視下インターベンショナル治療〜日常診療手技から最新の低侵襲手術まで〜《Web動画付き》.東京:克誠堂出版;2020. p.157─8より転載]役割を果たしている。椎間関節は下位椎体の上関節突起と、上位椎体の下関節突起からなり、関節軟骨、滑膜、関節包を有する真の関節(滑液関節)である(図2)。後頭骨・環椎間に始まり、L5・仙骨間まで左右に1対ずつ存在する。腰椎椎間関節はT12/L1から数えると、L5/Sまで左右に6対ある。背側から観察すると、上位の下関節突起(左右)が下位の上関節突起(左右)の形成するソケットにはまり込んだ形態であり、関節面は楕円形で、横断面では外側に凸で、冠状面に対して頭・腹側から尾・背側に傾斜し、また矢状面に対しては下位関節ほど背・外側に向かって開いてくる(図3)。関節包は、関節の上・下極で囊状に膨隆している。 主たる知覚支配は、腰神経後枝内側枝である。椎間孔から出た腰神経(たとえばL2)後枝からほぼ直角に背・尾側に向けて内側枝が分岐し、下位椎(L3)の横突起頭側縁で乳様突起と副突起間の溝を通過したあとに上下2本の関節枝を分岐して、上の関節枝は同位(L2/3)の椎間関節を尾側から取図2 椎間関節の解剖(後面から) 下位の上関節突起と、上位の下関節突起からなる関節軟骨、滑膜、関節包を有する滑液関節である。[橋爪圭司.椎間関節症と椎間関節ブロック.森本昌宏ほか編.“痛み”のX線透視下インターベンショナル治療〜日常診療手技から最新の低侵襲手術まで〜《Web動画付き》.東京:克誠堂出版;2020. p.157─8より転載]り囲むように分布し、下の関節枝は下位(L3/4)椎間関節を頭側から取り囲むように分布し、さらに下位(L4/5)の椎間関節にも分枝する(図4)。また、椎間関節の腹側部には、洞椎体神経からの知覚神経も分布するとされている。このように椎間関節1176腰椎椎間関節症

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