ⅠⅡⅢV5図4—5 左室肥大 高電位差の診断基準である,SV1+RV5(またはRV6)>35mm,を満たし,ストレインパタンも合併しています.aVaVaVaVaVaVRRRRVVVVVV1111aVaVaVaVaVaVLLLLaVaVaVaVaVaVaVaVaVaVaVaVFFFFFFFVVVVV2222VVVVV3333VVVVV4444VVVVV5555VVVVV6666783.最後に電気軸と移行帯に着目(異常Q波の評価)(注目:章扉③,④)��������✿✿✿✿ 心筋梗塞の心電図は,発症後の時間経過によってその様相が異なりますが,経過としてST上昇の後にQ波が形成され始め,陳旧性期~慢性期にかけて確立します.このQ波は,幅が0.04秒(1mm方眼で3マス分)以上で,深さがR波の1/4以上あるために,正常でも見られるq波とは異なるという意味合いで,異常Q波とよばれます.異常Q波は梗塞部位を反映するので,異常Q波を認める誘導の確認作業は重要です. また,肺血栓塞栓症でも「ⅠS,ⅢQ」とよばれるQ波の出現と,右心系の負荷に基づく時計軸回転が認められるので,異常Q波を認める誘導および電気軸と移行帯の確認は重要です.1.右脚ブロック�������������������������������✿✿✿✿ 右脚ブロックの特徴はT波の陰転を伴うV1誘導でのrSR’パタンです.右脚ブロックの基礎疾患として有名なものに心房中隔欠損症があります.ただ,基礎疾患が明らかでないものも多く,病的意義は必ずしも高くありません.不完全右脚ブロックなどではほとんど病的意義はないものと考えています.むしろ,軽度の伝導障害の一つの表れとして捉えて,束枝ブロックの合併を見落とさないことと,右脚ブロックパタンの心電図を呈するブルガダ症候群(特発性心室細動)に注意することが重要です.✿✿✿✿1—1.2束ブロック������������������������������������ 右脚は1束だけですが,左脚は前枝と後枝の2束に分枝します.右脚ブロックと左脚ブロックが合併すると,3度房室ブロックになりますが,左脚の2束のいずれか1束および右脚に伝導障害を認める場合を2束ブロックとよびます.このとき,心電図波形は右脚ブロックのまま,軸偏位を呈します. 左前枝に伝導障害が生じると電気的興奮は左室の興奮が後下方から左上向きに伝播するため左軸偏位を示します.一方,左後枝に伝導障害が生じると左室の興奮は逆向きに伝播するため右軸偏位を示します.左脚前枝ブロックは比較的高頻度で認められますが,左脚後枝ブロックは単独で認められることはQRSパタンに影響を与える病態や疾患
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