下肢静脈瘤/12-21p
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表2 デュプレックススキャン検査の手順検 査 手 順図2 デュプレックススキャンでの検査・診断 立位または坐位で行う。1.大伏在静脈の検索・鼠径靭帯近傍より伏在大腿静脈接合部(saphenofemoral junction:SFJ)を確認し,下流に向かってスクリーニング・SFJ部,膝上部,膝下部で血管径測定,パルスドップラー法での逆流評価2.小伏在静脈の検索・伏在膝窩静脈接合部(saphenopopliteal junction:SPJ)の確認から開始・膝部で血管径測定,パルスドップラー法での逆流評価3.不全穿通枝の検索それぞれの穿通枝で血管径測定,パルスドップラー法での逆流評価4.逆流のあった静脈の逆流範囲同定(二次性静脈瘤が疑われる場合)5.深部静脈の検索・圧迫法による血管閉塞の有無・パルスドップラー法での逆流評価15ドップラー法で逆流時間を計測して有意な逆流の有無を診断する6)(図4)。以前は,下腿すべての静脈において,逆流時間0.5秒以上をもって有意な逆流を認めるとされていたが,最近では大腿静脈と膝窩静脈については1秒以上の逆流時間をもって有意な逆流と診断する5)。検査は鼠径部の大腿伏在静脈合流部(saphenofemoral junction:以下,SFJ)から開始し,大伏在静脈上を尾側に向かって探触子を進め,SFJ部,膝上部,膝下部と3カ所で血管径を計測し逆流の確認を行う。同様に穿通枝,小伏在静脈を精査する。なお,穿通枝の精査の際には逆流の方向の判断が重要である。生理学的には表在静脈から深部静脈へ向かうはずの血流が,深部静脈から表在静脈と

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