図4 パルスドップラー法による逆流評価 ミルキングにより,順行性の血流に続いて逆行性の血流(逆流)が見られる。逆行性血流が0.5秒以上見られる場合に,逆流ありとする。17深部静脈の閉塞や血栓後遺症が疑われる時には,探索子を腹部超音波用の4〜7MHzのコンベックス型に持ち替え,深部静脈の検索も行う。カラーパルスドップラー法による逆流評価のほか,臥位で鼠径靭帯より3〜5cm間隔で探索子による圧迫法を行い,静脈内腔の高輝度血栓エコー像,壁不整像,圧迫してもつぶされない静脈壁像などがあれば深部静脈血栓症や後遺症を疑う。3脈波法脈波法は下肢の容積変化を測定して,無侵襲的に下肢の生理機能を包括的かつ定量的に評価する検査である。測定する原理により,さまざまな検査法があるが,空気容積脈波法(air plethysmography:以下,APG)は,下腿全体を覆うカフを装着して行う方法で,1980年代にChristopoulosら8)9)によって検査プロトコールが考案され,確立された。●APGの測定方法最初に仰臥位で下肢を45°挙上して下腿容積を虚脱させた後,立位となる(図5)。立位で下腿静脈容積を完全に充満させ,下腿静脈増加量(venous volume:以下,VV)を測定し,VVの90%値をその値になるまでに要した時間(90%venous filling time:90%VFT)で除した静脈充満指数(venous filling index:以下,VFI)を算出する。次に1回のつま先立ち運動,10回のつま先立ち運動を行い,下腿筋ポンプによる1回駆出量(ejection volume:以下,EV),運動後の下腿残存血液量(residual volume:以下,RV),RVをVVで除した残存血液量比(residual volume fraction:以下,RVF)を算出する。VFI,EV,RVFの正常値はそれぞれVFI<2ml/秒,
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