下肢静脈瘤/12-21p
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表3 CVTとは認定団体構成団体受験資格20血管診療技師認定機構日本血管外科学会,日本脈管学会,日本静脈学会① わが国における,臨床検査技師,看護師,臨床工学技士,診療放射線技師,理学療法士,准看護師のいずれかの有資格者② 資格取得後実務経験年数として,臨床検査技師,看護師,臨床工学技士,診療放射線技師,理学療法士は3年以上,准看護師は5年以上あること③ 血管疾患を専門とする医師(脈管専門医など)のもとで血管疾患診療の経験があること④認定講習会の受講認定資格・業務内容 脈管領域の無侵襲診断およびその介助から,医師による侵襲的診断・治療の介助まで及ぶ。脈管疾患領域の診療にコメディカルとしてかかわる専門家1,263人(2017年10月現在)現在資格者数(血管診療技師認定機構ホームページより引用改変)趣旨のもと,日本血管外科学会,日本脈管学会,日本静脈学会の3学会で血管診療技師認定機構が設立された。そして2006年6月より年に1回,CVT認定試験が施行され,2017年10月現在1,263人のCVTが全国で活躍している(表3)。CVTの受験資格には,①臨床検査技師,看護師,臨床工学技士,診療放射線技師,理学療法士,准看護師のいずれかの資格,②それぞれの職種における規定の実務年数,③血管疾患を専門とする医師のもとでの血管疾患診療の臨床経験,④血管診療の知識と血管検査の実技(認定講習会の受講)などが要求される。そして,その業務は脈管領域の無侵襲診断およびその介助から,医師による侵襲的診断・治療の介助,場合によっては診療機器のメンテナンスにまで及ぶ。つまりCVTは,脈管疾患領域の診療にコメディカルとしてかかわる専門家として認定される。しかし,CVTは認定資格であり,CVTの業務の中で各人に許される業務範囲は,各人がもつ国家資格の範囲を超えるものではない。●CVTと医療チームづくり近年医療の高度化に伴い専門分化が進む中で,各学会もそれぞれの診療科内にさらに専門医制度を設けて,より質の高い高度な医療の提供を目指す風潮にある。このような流れの中で,最近では医師以外のさまざまな職種でもより専門性の高い知識と技術を求められるようになっている。臨床検査技師におけるCVTもその一端であることはいうまでもない15)。医療の専門分化・細分化が進む一方で,患者のニーズも多様化し,疾患だけでなく全人的な医療が求められるようになっている。これに対応するためには,医師,看護師,臨床検査技師などのさまざまなメディカルスタッフが個々に高い専門性を磨きつつ,適切に連携し,補完し合うチーム医療の実践が不可欠である。時として迅速な対応が必要となる下肢脈管診療の現場では,特に診断・治療方針の迅速な決定が鍵となる。つまり,無侵襲検査を担うCVTと実際の治療を行う医師の関係がチーム医療の中心となる。具体的には,CVTと医師はお互いの業務内容を理解し,CVTは医師が何をしようとしているのか理解したうえで情報

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