1脱毛前のカウンセリング3章 実践編2 蓄熱式レーザー脱毛当院では,脱毛を希望する部位と,脱毛する目的(不要なのか,デザインしたいのか)の確認を医師が行い,書面で同意を得る。蓄熱式レーザー脱毛(super hair removal:以下,SHR)はダイオードレーザー照射による熱エネルギーを利用し,毛軸周囲を45〜55℃に蓄熱し,毛包全体を熱変性して脱毛する。低フルエンスにて,ハンドピースを動かすインモーション照射を行い,連続照射する。メラニンをヒーターとして熱作用で脱毛効果を上げる点はメラニン選択式脱毛(hair removal;以下,HR)と変わらないが,SHRの特徴は,メラニンを含む毛軸に徐々に熱を蓄えるため,急激な皮膚組織の温度上昇がない。さらに,表皮メラニンへの蓄熱を利用することで皮膚表面に熱膜を形成し,脱毛効果を高めている(図)。毛ではなく毛包をターゲットにしているため,これまで難しかった金髪や産毛等にも効果がある。スキンタイプや年齢および毛質に関係なく照射できる。また,毛周期にも影響されにくいため,従来よりも早く脱毛が終了する。図 毛軸のメラニンを介した毛包周囲の熱だまりと表皮のメラニンを介した熱膜形成表皮内熱膜毛軸周囲熱だまり有川 公三701 蓄熱式レーザー脱毛(SHR)とメラニン選択式脱毛(HR)の脱毛機序の違い
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