おおよその治療時間は,両腋で1分程度,両下腿で8分程度である。照射期間は約4週間ごとで,ある程度減毛効果が見られたら3カ月ごとに照射する。脱毛回数に関しては,年齢,毛の密度,脱毛部位,本人の満足度により異なるため,大体の目安としての回数は伝えるが,脱毛困難部や疎毛化,および軟毛化を利用したデザイン脱毛の際には個人差が大きいため,回数を明言することは避けている。施術中に温かく感じるところから急に疼痛と感じる熱さになった段階で施術者に伝えてもらう。声かけはフルエンスの調整に不可欠である。ジェルを塗布し,冷却装置が付属しているので疼痛はちくちくする程度だが,部位によっては(毛が太い,密度が濃い,骨突出部等)疼痛が増すことがある。照射直後は,毛包周囲に赤み(紅斑)やぼつぼつとした丘疹が出現するが,通常数分〜 24時間以内には消失する。長引く場合はステロイド外用で対処する。SHRでは生じる可能性は低いものの,説明は必ずする。SHRでの硬毛化はうなじに多く見られ,他の部位での硬毛化は比較的少ない(P.90「3章 5.硬毛化」を参照)。一度脱毛すると二度ともとには戻せず,細くなった毛を太くすることもできない。また,白髪においては熱源となるメラニンがないため,脱毛はできないことを伝える。眉毛やひげのデザインについてはカウンセリング時に患者と十分に話し合う。1 脱毛前のカウンセリング712 3 痛 み炎症反応硬毛化についてその他治療時間と治療回数副作用
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