medical-hair-loss
5/10

3実際の手技とコツ4章 実践編3 絶縁針脱毛患者には治療前に必ず説明をし,治療を理解したうえで開始する。カウンセリング内容についてはP.92「4章 1.脱毛前のカウンセリング」の項を参照のこと。絶縁針脱毛術は皮膚内に針を刺入する手技である。治療中に施術者が誤って針刺事故を起こす可能性もあり,特に感染症に対する術前検査は必須である。少なくとも年に1回は採血検査を行うことを推奨する。検査項目としてはHBs抗原,HCV抗体,梅毒脂質抗体検査(RPR法等),梅毒TP抗体検査(TPHA等),HIV1,2抗体検査を行う。HBs抗原陽性の場合は,HBe抗原を調べる。HBe抗原陽性の場合は脱毛を行わない。HBe抗原陰性の場合はHBs抗体陽性の施術者が対応するが,患者の受け入れについては各施設でご検討いただきたい。梅毒陽性の場合は,梅毒脂質抗体検査は生物学的偽陽性が多いため,精査した後,陽性であれば脱毛治療は行わない。治癒後であれば治療は可能である。HIV陽性の場合は,脱毛治療は行わない。脱毛に際しては,以下のものを用意しておく(図1)。●絶縁針脱毛器(ニドー社:COA-50NX)●毛に合った脱毛針(表1,2,図2)●施術野を照らすライト●脱毛用鑷子●ガーゼ●手袋●アルコール綿(またはその他の消毒綿)堀内 祐紀,石川智恵理981 カウンセリング術前検査準備物品治療前の準備

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る